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接地工事の種類(A種・B種・C種・D種)

読み終えると、こうなる

キュービクル内の変圧器やケーブルの図面を見たとき、どの部分にA種〜D種のどの接地工事が必要で、それぞれ何を守っているのかを一目で言い当てられるようになる

  • 対象設備の使用電圧・受電電圧から、A種〜D種のどの接地工事が必要かを仕分けられ、A種接地工事に用いる接地線の太さ(引張強さ・軟銅線の直径)の基準を説明できる
  • B種接地工事の接地抵抗値を、1線地絡電流Igから計算式(150/Ig等)で求められる
  • 高低圧混触事故時にB種接地工事が低圧側電位上昇を抑える仕組み、低圧電路の構成(中性点の有無・非接地方式かどうか)によって接地箇所が低圧側中性点・低圧側の1端子・混触防止板のいずれかに変わること、高圧側電路の自動遮断装置の動作時間による接地抵抗値基準の緩和、及び配電線路の公称電圧・こう長(電線延長)から1線地絡電流Igを電気設備技術基準の解釈が示す計算式で概算する手順を、あわせて説明できる
  • 電路のどこに接地を施すことができるか(電路の中性点、特別高圧の直流電路、燃料電池の電路、高圧計器用変成器の2次側電路等)、及び低圧・高圧・特別高圧それぞれの電路に地絡遮断装置を施設すべき箇所・省略できる代表的なケースを説明できる。また、接地工事そのものを省略できる条件(電気設備技術基準の解釈第29条系統)と、地絡遮断装置を省略できる条件が、別の制度であることを区別できる
考えてみよう

キュービクルの中の変圧器を見ると、外箱には太い接地線が、低圧側の配電盤には別の接地線が、それぞれつながっている。同じ「接地」という言葉でも、どちらも同じ抵抗値の基準で施工されているわけではない。

しかも、変圧器の低圧側中性点につながる接地線の抵抗値は、隣の現場の同じ変圧器とは違う数値が基準になっていることがある。同じ機種の変圧器なのに、なぜ抵抗値の基準が現場ごとに変わるのか。

このトピックを読み終えるころには、キュービクルの中のどの接地線が何のためにあり、なぜB種接地工事だけが現場ごとに違う数値を持つのかを、自分で説明できるようになっている。

種明かしは、接地工事がA種からD種までの4種類に分かれ、それぞれ「何を、どんな事故から守るか」が異なる点にある。特にB種接地工事だけは、他の3種とは違う設計思想で数値が決まる。

A種・C種・D種 — 電圧が高いほど、抵抗値は厳しくなる

A種・C種・D種の3つは、対象設備の使用電圧が高いほど接地抵抗値の基準が厳しく(小さく)なる、という分かりやすい関係にある。

種類主な対象接地抵抗値
A種高圧・特別高圧機器の外箱、避雷器など10Ω以下
C種300Vを超える低圧機器の外箱等10Ω以下(漏電遮断器0.5秒以内なら500Ω以下)
D種300V以下の機器の外箱、コンセントの接地極等100Ω以下(漏電遮断器0.5秒以内なら500Ω以下)

A種は高圧・特別高圧という最も危険な電圧を相手にするため、3種の中で最も厳しい10Ω以下が求められる。C種とD種はどちらも低圧の機器が対象だが、300Vという境界を挟んで抵抗値が10Ω以下と100Ω以下に分かれる。300Vを超える機器は感電時のリスクがより大きいため、D種より厳しい基準になる。

A種とC種はどちらも「10Ω以下」で数値が同じだが、対象は別物だ。A種は高圧・特別高圧の機器、C種は300Vを超える低圧の機器を対象にしている。数値の一致だけで種別を判断せず、必ず対象設備の電圧区分から先に確定させる。

いずれも0.5秒以内に動作する漏電遮断器を施設した場合、C種・D種は500Ω以下まで緩和される。遮断器が高速に電路を切ってくれるなら、接地側に求める性能はそのぶん譲ってよい、という交換条件がここにも表れている。

接地抵抗値だけでなく、接地線そのものの太さにも基準がある。A種接地工事に用いる接地線は、引張強さ1.04kN以上の容易に腐食し難い金属線、又は直径2.6mm以上の軟銅線を用いる。高圧・特別高圧機器の外箱に施す接地工事だからこそ、地絡時に流れうる大きな電流に耐え、施工中の機械的な力にも負けない太さ・強度が求められる。B種接地工事の抵抗値が1線地絡電流Igから逆算する「式」だったのに対し、接地線の太さそのものは、この後見るような系統ごとの計算を経ずに決まる、比較的固定的な基準だ。適用条件の細部(低圧電路の中性点に施設する場合の扱いなど)は、電気設備技術基準の解釈の最新版で確認すること。

B種接地工事 — 「固定値」ではなく「式」で決まる唯一の種類

ここまでの3種は、対象の電圧区分さえ分かれば抵抗値が一意に決まる。ところがB種接地工事だけは違う。

B種接地工事は、高圧または特別高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器の低圧側中性点(中性点がない場合は低圧側の1端子)に施す接地工事だ。この接地工事の目的は、高圧側の電線が低圧側の電線と接触してしまう「高低圧混触事故」が起きたとき、低圧側の電位が異常に上昇するのを抑えることにある。

高圧の電気が万一低圧側に混触すると、低圧側の配線・機器には本来より大幅に高い電圧がかかり、感電や火災のおそれが一気に高まる。B種接地工事は、変圧器の低圧側中性点を大地としっかり結び付けておくことで、混触時に低圧側の電位が跳ね上がるのを抑える役目を負っている。

RB150Ig [Ω]R_B \leq \frac{150}{I_g} \ [\Omega]

IgI_g は、その変圧器が高圧側で地絡を起こしたときに流れる1線地絡電流[A]だ。変圧器の容量・電線こう長・系統の構成によって、この IgI_g の大きさは現場ごとに変わる。だからB種接地工事の抵抗値は、他の3種のような固定値ではなく、IgI_g を代入して初めて決まるとして与えられている。冒頭で「同じ機種の変圧器なのに、現場ごとに基準の数値が違う」ことが起きていたのは、この IgI_g が現場の系統条件によって変わるからだ。

150という数字は「感電しても人体に危険が及ばない電位上昇の目安」を1線地絡電流で割ったものだと捉えると覚えやすい。$I_g$ が大きい(地絡時に大量の電流が流れる)系統ほど、$150/I_g$ は小さくなり、より低い抵抗値が要求される。地絡電流が大きいほど、電位上昇を抑えるために接地側はより頑張らなければならない、という関係だ。

接地する箇所は、低圧電路の構成によって変わる

ここまでは「低圧側中性点に接地する」という原則だけを見てきたが、実際にはすべての変圧器に都合よく中性点があるわけではない。電気設備技術基準の解釈は、低圧電路の構成に応じて、B種接地工事を施す箇所を次の3パターンに分けている。

  • 低圧側に中性点がある電路 → 低圧側の中性点(原則)
  • 低圧電路の使用電圧が300V以下で、中性点への接地が施し難い電路(単相2線式など、そもそも中性点を持たない構成) → 低圧側の1端子
  • 低圧電路をあえて非接地方式で運用している電路 → 高圧巻線又は特別高圧巻線と低圧巻線との間に設けた金属製の混触防止板
3パターンに共通する目的は同じで、「高低圧混触事故が起きたとき、低圧側の電位上昇を抑える」ことにある。中性点がなければ1端子で代用し、低圧側そのものを非接地にしている場合は、高圧巻線と低圧巻線の間に挟んだ金属板(混触防止板)を接地することで、高圧側の電位が低圧巻線側へ直接伝わるのを食い止める、という発想の違いだと理解すると覚えやすい。

単相2線式(100Vなど)の小型変圧器のように、そもそも低圧側に中性点という概念がない構成では、低圧側の1端子にB種接地工事を施す。一方、低圧電路を非接地方式にしている変圧器(絶縁変圧器で低圧側を非接地化しているケースなど)では、低圧巻線に直接つながる箇所ではなく、高圧巻線と低圧巻線の間に物理的に挟み込んだ金属製の板——混触防止板——にB種接地工事を施す。低圧巻線そのものは非接地のままにしつつ、巻線間の板を接地することで、混触時に高電圧が低圧側へそのまま伝わるのを間接的に防ぐ、という守り方になる。

遮断が速いほど、基準は緩和される

高圧側電路を自動的に遮断する装置を設けている場合、B種接地工事の抵抗値はさらに緩和される。

1秒を超え2秒以内に遮断:RB300Ig,1秒以内に遮断:RB600Ig1\text{秒を超え}2\text{秒以内に遮断:} R_B \leq \frac{300}{I_g}, \qquad 1\text{秒以内に遮断:} R_B \leq \frac{600}{I_g}

原則の150/Igから、300/Ig、600/Igへと、遮断が速くなるほど分子の数字が大きくなり、基準が緩和されていく。地絡が起きてもすぐに高圧側を切り離せるなら、低圧側の電位上昇にさらされる時間そのものが短くなるため、接地抵抗の側で求める性能を落としてもよい、という考え方だ。

例題

1線地絡電流 IgI_g が5Aの変圧器に、高圧側電路を自動遮断する装置を設けていない場合、B種接地工事の接地抵抗値の基準はいくらか。

RB1505=30 [Ω]R_B \leq \frac{150}{5} = 30\ [\Omega]

同じ変圧器に、1秒以内に高圧側を自動遮断する装置を追加した場合はどうか。IgI_g が3Aなら、

RB6003=200 [Ω]R_B \leq \frac{600}{3} = 200\ [\Omega]

数値だけを見ると「200Ωの方が甘い基準」に見えるが、これは遮断装置という安全側の対策が加わったことで、接地側に求める性能を落としても総合的な安全性が保たれる、という設計だ。

Ig自体も、計算で求めることがある

ここまでの例題は、いずれもIgの値があらかじめ与えられている前提で計算した。だが実務や試験の出題では、Igそのものが与えられず、配電線路の公称電圧とこう長(電線延長)から、Igを先に計算しなければならないことがある。

中性点非接地方式の三相3線式高圧配電線路(電線はケーブル以外を使用)を例にとると、電気設備技術基準の解釈は、1線地絡電流I1I_1を次の式で求めるとしている。

I1=1+V3L100150 [A]I_1 = 1 + \frac{\dfrac{V}{3}L - 100}{150} \ [A]

VVは配電線路の公称電圧を1.1で除いた電圧[kV]、LLは同一母線に接続される架空配電線路の電線延長(こう長の合計)[km]だ。

このVは、絶縁耐力試験の最大使用電圧を求める式(公称電圧×1.15/1.1)とは違う係数(1.1で除するだけ)を使う。どちらも公称電圧から出発する計算だが、目的が違えば係数も違う——式ごとに別物として覚える。

例題(2段階の計算)

公称電圧6,600V、こう長35kmの中性点非接地方式の三相3線式高圧配電線路がある。この配電線路に接続される柱上変圧器の低圧側に施すB種接地工事の接地抵抗値を求める。

まずVを求める。

V=6,6001.1=6.0 kVV = \frac{6{,}600}{1.1} = 6.0\ \text{kV}

これを1線地絡電流の式に代入する。

I1=1+6.03×35100150=1+70100150=10.2=0.8 AI_1 = 1 + \frac{\frac{6.0}{3}\times35 - 100}{150} = 1 + \frac{70-100}{150} = 1 - 0.2 = 0.8\ \text{A}

このI1I_1をB種接地工事の抵抗値の式に代入すると、

RB1500.8=187.5 [Ω]R_B \leq \frac{150}{0.8} = 187.5\ [\Omega]

このように、B種接地工事の接地抵抗値を求める計算は、「配電線路の電圧・こう長からIgを求める」→「IgからR_Bを求める」という2段階になっていることがある。RB=150/IgR_B=150/I_gの式だけを覚えていても、IgI_g自体が問題文に与えられていない出題形式には対応できない。

静電容量から地絡電流を求める、もう1つの計算方法

配電線路のこう長から1線地絡電流Igを求める実務式(I₁=1+((V/3)L-100)/150)とは別に、線路の対地静電容量から理論的に地絡電流を求める計算方法もある。中性点非接地方式の高圧配電線路で一線完全地絡事故が起きたとき、地絡電流Igは、線路の対地静電容量C[F]・線間電圧V[V]・角周波数ω(=2πf)を使って、次の近似式で概算できる。

Ig23πfCVI_g \approx 2\sqrt{3}\,\pi f C V

例題

線間電圧6,600V・周波数50Hzの中性点非接地方式の高圧配電線路で、線路の全対地静電容量が0.15μFのとき、一線完全地絡事故が発生した場合の地絡電流を求める。

Ig=23×π×50×0.15×106×6,6000.54AI_g = 2\sqrt{3}\times\pi\times50\times0.15\times10^{-6}\times6{,}600 \approx 0.54\text{A}
「配電線路のこう長からIgを求める式」と「対地静電容量からIgを求める式」は、どちらも同じ1線地絡電流を表す式だが、出発点になる情報(こう長か、静電容量か)が違う別の計算方法だ。問題文でどちらの情報が与えられているかを見て、使う式を選ぶ必要がある。

地絡電流は、線路側と需要設備側に分流する

需要設備が高圧配電線路につながっている場合、線路には線路自体の対地静電容量C1のほかに、需要設備側の対地静電容量C2も存在する。線路のどこかで一線完全地絡事故が起きると、地絡電流Igは、この線路側C1と需要設備側C2の比に応じて分流する。需要設備の受電点に設置された零相変流器(ZCT)が検出できるのは、Igのうち需要設備側へ分流した分だけであり、おおむね次の割合になる。

I需要設備側Ig×C2C1+C2I_{需要設備側} \approx I_g \times \frac{C_2}{C_1+C_2}
需要設備の対地静電容量C2は、線路側の対地静電容量C1に比べて通常はるかに小さい。つまり需要設備の零相変流器が検出する電流は、地絡電流Igの全量よりずっと小さな割合にとどまる。ところが需要設備構内**以外**(線路側)で地絡事故が起きた場合でも、この分流分の電流は需要設備側の零相変流器を通過してしまうため、地絡継電器(GR)の動作電流の整定が粗いと、自分の構内で事故が起きていないのに不必要に動作してしまうことがある。地絡継電器の整定を考えるとき、この「自構内の地絡ではなくても、分流によって電流が流れ込む」という仕組みを理解しておくことが欠かせない。

なぜB種だけ、この式で決まるのか

A・C・D種は「その機器・電路にどれだけの電圧がかかっているか」という、施設した時点で決まっている条件から抵抗値が決まる。だがB種が守っているのは、混触という事故が起きたときに低圧側へ流れ込む電流の大きさそのものだ。同じ電圧区分の変圧器でも、系統の構成や電線のこう長が違えば、地絡時に流れる電流 IgI_g は変わる。だからB種だけは、施設時点の固定値ではなく、その系統の実際の地絡電流から逆算する式で基準が与えられている。

キュービクルの設計・選定に関わる実務では、変圧器の容量や系統構成が変われば、その都度 IgI_g を計算し直し、B種接地工事の抵抗値が基準を満たしているかを確認する。A・C・D種のように一度覚えれば済む数値ではなく、系統ごとに計算し直す数値だという点が、B種を扱ううえで最も重要な心構えになる。

接地抵抗は、計算で見積もり・現場で測る

ここまでの話は、いずれも「接地抵抗の基準値がいくつか」という話だった。では実際の接地抵抗そのものは、どうやって求めるのか。

棒状の接地棒を大地に打ち込んだときの接地抵抗は、大地抵抗率ρ[Ω・m]と接地棒の長さL[m]・直径d[m]から、次のような式で理論的に近似できることが知られている。

Rρ2πLln ⁣(4Ld)R \approx \frac{\rho}{2\pi L} \ln\!\left(\frac{4L}{d}\right)

この式は、接地極を設計する段階で「このくらいの長さ・太さの接地棒を打てば、おおよそこの程度の抵抗値になりそうだ」という見積もりに使うものだ。実際に施工した接地極の抵抗値は、土質のばらつきや含水率、気温などの影響を受けるため、この式だけで済ませず、現場で実測して確認する必要がある。

電位降下法(E-S-H法)— 現場での測定の基本形

実務で最もよく使われる接地抵抗の測定法が「電位降下法」だ。被測定接地極(E、抵抗を測りたい対象)から離れる方向に、電流を流すための補助接地極(H)と、電位を測るための補助接地極(S)を、E・S・Hの順に一直線上へ配置するのが基本の考え方になる。

E-S-Hという並び順は、「E(測りたい対象)に近い側に電位を測るS、遠い側に電流を流すH」と覚えると位置関係が崩れにくい。Sの位置は、EとHの中間付近に置くのが基本の考え方で、E-H間に電流を流しながらE-S間の電位差を測定し、その比から接地抵抗を求める。

測定の考え方を、自作の数値例で見てみる。E-H間に1Aの電流を流し、E-S間の電位差を測定したところ15Vだったとすると、接地抵抗はオームの法則と同じ考え方で求められる。

R=VI=15 V1 A=15 [Ω]R = \frac{V}{I} = \frac{15\ \text{V}}{1\ \text{A}} = 15\ [\Omega]

この15Ωという値が、実際に大地に打ち込んだ接地極の抵抗値であり、先ほどの理論式で見積もった値とはズレることがある。設計段階の見積もりと、施工後の実測値の両方を押さえておくのが、接地工事を扱う実務の基本になる。E・S・Hの配置間隔や測定条件の細かな数値基準は、現場の状況によって調整が必要になるため、詳細は電気設備技術基準の解釈や測定器メーカーの手順を確認するとよい。

接地工事の「種類」とは別に、「場所」の話がある

ここまでは「どの接地工事(A〜D種)を、どんな抵抗値で施すか」という話だった。だがそれ以前に、そもそも電路のどこに接地を施すことができるのか、という「場所」の規定も別にある。電路は大地から絶縁するのが原則であることは、電気設備技術基準の全体構造を扱ったトピックで見たとおりだが、その原則には、目的を持った例外がいくつも用意されている。

電路の保護装置の確実な動作の確保、異常電圧の抑制又は対地電圧の低下を図るために必要な場合、次のような場所に接地を施すことができる。

  • 電路の中性点(使用電圧が300V以下の電路において中性点に接地を施し難いときは、電路の一端子)
  • 特別高圧の直流電路
  • 燃料電池の電路又はこれに接続する直流電路
この3つに共通しているのは、いずれも「感電・火災を防ぐため」というより、「保護装置を確実に動かす」「異常電圧を抑える」「対地電圧を下げる」という、電路の運用上の目的から接地が認められている点だ。B種接地工事が高低圧混触事故時の低圧側電位上昇を抑えるのと同じ発想で、電路そのものの中性点や特殊な電路(特別高圧の直流電路、燃料電池の電路)にも、目的を持った接地箇所が個別に定められている。

もう1つ、計器用変成器の2次側電路にも接地の定めがある。高圧計器用変成器の2次側電路には、D種接地工事を施す。計器用変成器は高圧側の電圧・電流を、継電器や計器が扱いやすい小さな値に変換する機器であり、その2次側(低電圧側)が万一1次側と混触した場合に備え、D種接地工事によって感電・機器損傷のリスクを抑える。

「接地工事の種類(A〜D種)を覚えたら終わり」ではなく、「その種類の接地工事を、電路のどこに施すのか」という場所の情報とセットで押さえておく必要がある。B種接地工事が変圧器の低圧側中性点という特定の場所を対象にしていたのと同じように、D種接地工事も高圧計器用変成器の2次側電路という特定の場所への適用がある、と個別に確認する癖をつけておくと、種類と場所を取り違えにくい。

接地工事そのものを省略できる条件 — 地絡遮断装置の省略条件とは別の制度

ここまで見てきたA〜D種の接地工事は「施す」ことを前提にした話だった。ところが電気設備技術基準の解釈は、一定の条件を満たせば、接地工事そのもの(機械器具の金属製外箱等に対するD種接地工事など)を省略してよい場合も定めている(電気設備技術基準の解釈第29条)。この後見る「地絡遮断装置(漏電遮断器)の省略条件」とは別の制度であり、しかも紛らわしいことに、どちらの制度にも似た言葉が登場する。

接地工事そのものを省略できる代表的な条件は、次のとおりだ。

  • 交流の対地電圧が150V以下(直流の使用電圧が300V以下)の機械器具を、乾燥した場所に施設する場合
  • 水気のある場所以外の場所に施設する低圧用の機械器具に電気を供給する電路に、電気用品安全法の適用を受ける漏電遮断器(定格感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下の電流動作型のものに限る)を施設する場合
  • 機械器具の金属製外箱等の周囲に、適当な絶縁台を設けて施設する場合
「乾燥した場所に施設する場合」「漏電遮断器を施設する場合」という条件は、この後見る地絡遮断装置そのものの省略条件にも、よく似た言葉で登場する。だが両者は別の制度だ。ここでの話は「接地工事(D種接地工事等)そのものを省略できるか」であり、次に見るのは「接地工事とは別に施す地絡遮断装置を省略できるか」という話になる。同じキーワードが2つの別の制度に登場するため、『何を省略する話をしているのか』を先に確認する癖をつけておかないと、この2つを同じ規定だと取り違えやすい。条件の細部・数値は電気設備技術基準の解釈の最新版で確認すること。

地絡遮断装置 — 「接地」と対になる、事故発生後の遮断

接地工事が、事故が起きたときに電位上昇を抑えたり感電のリスクを下げたりする「受け身」の対策だったのに対し、地絡遮断装置は、地絡事故そのものを検知して電路を自動的に切り離す「能動的」な対策になる。この2つは、どちらも地絡事故への備えという共通の目的を持ちながら、役割が異なる。

低圧の金属製外箱を有する機械器具の電路には、電路に地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置(漏電遮断器)を施設するのが原則だ。ただし、次のような場合には、この装置を省略できることがある。

  • 機械器具を乾燥した場所に施設する場合
  • 電路の系統電源側に絶縁変圧器を施設し、当該絶縁変圧器の機械器具側の電路を非接地とする場合
  • 機械器具内に過電流遮断器を取り付け、かつ電源引出部が損傷を受けるおそれがないように施設する場合
  • 機械器具に簡易接触防護措置を施す場合
これらの省略条件に共通しているのは、いずれも「地絡遮断装置の代わりに、別の手段で感電・火災のリスクを抑え込んでいる」という構造だ。絶縁変圧器で機械器具側を非接地にすれば、そもそも混触が起きても地絡電流が大地に流れにくくなる。乾燥した場所であれば、水気による絶縁劣化のリスクそのものが小さい。「地絡遮断装置がない=無防備」ではなく、「別の対策で同等の安全性を確保している」という見方をすると、この科目で繰り返し出てくる「条件を満たせば緩和される」というパターンの一例として理解しやすい。

高圧又は特別高圧の電路にも、地絡遮断装置を施設すべき箇所が定められている。代表的な箇所は次の3つだ。

  • 発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所から引き出される電路の引出口
  • 他の者から電気の供給を受ける受電点の負荷側の電路
  • 配電用変圧器(単巻変圧器を除く)の負荷側の電路
この3箇所は、いずれも「地絡事故が起きたときに、その影響が電路の先へ波及するのを自動的に食い止める」という共通の目的を持つ。発電所・変電所側の引出口は電気を送り出す側の安全確保、受電点の負荷側は需要設備側で起きた事故が電力会社側へ波及するのを防ぐ役割、配電用変圧器の負荷側はその先の需要家群を守る役割、というように、電路のどの区間を守っているかが箇所ごとに異なる。需要設備側の視点だけで理解を止めず、発電所・変電所側にも同様の施設箇所があることを押さえておく必要がある。ただし、発電所又は変電所相互間の電線路とみなされる電路のように、一方側で確実に遮断できることが担保されている場合など、二重に施設しなくても保護の目的を達成できるケースでは、この限りでないとされる。具体的な条文・数値は電気設備技術基準の解釈の最新版で確認すること。

キュービクルの更新提案では、地絡遮断装置(漏電遮断器・地絡継電器)の選定だけでなく、「この機械器具はそもそも地絡遮断装置が必須の対象か、省略できる条件を満たしているか」を確認できると、過不足のない保安提案につながる。

冒頭のキュービクルで、変圧器の低圧側中性点につながる接地線の抵抗値が現場ごとに違っていた理由——答え合わせは理解度チェックの最後の問題でしてみよう。

出題者のワナ — ここで受験者を転ばせにくる

この論点は、知っているだけでは足をすくわれる。試験でよく仕掛けられる崩し方を、先に知っておこう。

  1. A種とC種の接地抵抗値がどちらも「10Ω以下」であることを利用して、対象設備を入れ替えさせる

    なぜ引っかかる数値が同じ10Ωのため、種別を正しく判定しないまま数値だけで正誤を判断すると、A種の問題文にC種の対象(300Vを超える低圧機器)を紛れ込ませても気づきにくい

    見破り方抵抗値ではなく、対象設備の電圧区分(高圧・特別高圧か、300Vを超える低圧か)を先に確定させる。数値が一致していても、対象が異なれば別の設問だと考える

  2. B種接地工事の抵抗値を、他のA・C・D種と同じ「固定された1つの数値」だと思わせる

    なぜ引っかかるA種10Ω・D種100Ωのように固定値で覚える癖がつくと、B種にも同様の固定値があるはずだと錯覚する

    見破り方B種だけは対象の変圧器ごとに実際の1線地絡電流Igの大きさが違うため、固定値ではなく150/IgのようにIgを代入して初めて数値が決まる式だと、別枠で覚えておく

  3. 高圧側電路の自動遮断時間の条件(1秒以内・1秒超2秒以内)を読み落とし、300/Igと600/Igを取り違えさせる

    なぜ引っかかる遮断時間が短いほど緩和の度合いが大きくなる(=分子の数字が大きくなる)という対応関係を逆に覚えると、短時間で遮断する好条件のケースで、かえって厳しい数値を選んでしまう

    見破り方「早く切れる(安全な)装置ほど、接地抵抗値の基準は甘くてよい」という一方向の関係を先に固定する。原則150/Ig→1秒超2秒以内に遮断で300/Ig→1秒以内に遮断で600/Igと、遮断が速くなるほど基準が緩和されていく並びで覚える

  4. 電位降下法の補助接地極E・S・Hの並び順を、S(電位極)とH(電流極)で取り違えさせる

    なぜ引っかかる「電流を流す極」と「電位を測る極」のどちらを被測定接地極Eの近くに置くかは、名前だけでは直感的に判断しにくい

    見破り方E・S・Hの順に一直線上へ、Eから離れる方向に並べ、Sの位置はEとHの中間付近になるという配置を、E-S-Hという並び順そのものとセットで覚える

  5. R_B=150/Igの式にだけ気を取られ、そもそもIg自体をどう求めるかという計算のもう一段階を見落とす

    なぜ引っかかるR_B=150/Igの式は覚えていても、Igが「与えられた数値」として問題文に登場することに慣れていると、Ig自体を配電線路の公称電圧・こう長から計算で求めさせる出題形式に対応できなくなる

    見破り方問題文にIgの数値がそのまま与えられていない場合は、公称電圧・電線延長などから先にIgを計算式で求める一段階が挟まっていないか確認する。絶縁耐力試験の最大使用電圧を求める式(公称電圧×1.15/1.1)とは係数が違うため、式ごと別物として覚える

  6. 静電容量から求めた地絡電流Igを、そのままB種接地工事の抵抗値計算(150/Ig)に流用できると考える、あるいは需要設備側の零相変流器が検出する電流をIgそのものと取り違える

    なぜ引っかかる同じ『Ig』という記号が複数の文脈(線路のこう長から求める実務式、静電容量から求める理論式、零相変流器が実際に検出する電流)で登場するため、どの場面のIgかを区別せずに同じ値として扱ってしまいやすい

    見破り方静電容量から求めたIgは高圧配電線路で一線完全地絡が起きたときの全地絡電流であり、需要設備側の零相変流器が検出するのはそのうちC2の分流分だけだと区別する。B種接地工事のIgは施行規則が示す別の実務式(配電線路の公称電圧・こう長から求める式)で計算される値であり、同じ記号でも算出方法・用途が異なる場合があるため、問題文の文脈(何のためのIgか)を必ず確認する

  7. 接地工事の種類(A〜D種)さえ覚えれば、電路のどこに接地を施すことができるかという話は終わりだと思い込み、電路の中性点や燃料電池の電路、高圧計器用変成器の2次側電路のような『接地を施すことができる場所』の規定を見落とす

    なぜ引っかかる『接地=A種〜D種の抵抗値基準』という理解に頭が向きやすく、それとは別に『そもそもどこに接地を施してよいか』という場所の規定があることに気づきにくい

    見破り方接地には『どの種類(A〜D種)の接地工事を施すか』という抵抗値の基準の話と、『電路のどこに接地を施すことができるか』という場所の話の、2つのレイヤーがあると整理する。電路の中性点・特別高圧の直流電路・燃料電池の電路のような場所の規定と、高圧計器用変成器の2次側電路はD種接地工事を施すといった種類の指定は、別々に確認する必要がある

  8. 『機械器具を乾燥した場所に施設する場合は省略できる』という条件を、接地工事そのものの省略条件と、地絡遮断装置(漏電遮断器)の省略条件の、どちらか一方だけの話だと思い込み、実は両方の制度に別々に似た条件があることを見落とす

    なぜ引っかかる『乾燥した場所だから省略できる』という結論だけを覚えると、それが接地工事(電技解釈29条)の話なのか、地絡遮断装置の施設義務(別の条文)の話なのかを区別せずに済ませてしまいやすい。どちらも金属製外箱を持つ低圧の機械器具を対象にしているため、同じ1つの規定だと錯覚しやすい

    見破り方『何を省略する話か』を先に確認する。接地工事そのもの(D種接地工事等)を省略できる条件は、対地電圧150V以下(直流300V以下)の機械器具を乾燥した場所に施設する場合、水気のない場所で電気用品安全法適合の漏電遮断器(定格感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下)を施設する場合、絶縁台を設ける場合などが代表例。地絡遮断装置(漏電遮断器)そのものの施設を省略できる条件は、これとは別の規定であり、絶縁変圧器による非接地化や機械器具内蔵の過電流遮断器、簡易接触防護措置などが代表例。『乾燥した場所』という言葉が両方の規定に登場するため、どちらの省略条件を問われているかを設問文で見極める必要がある

  9. 低圧の金属製外箱を有する機械器具に地絡遮断装置(漏電遮断器)が常に必要だと思い込み、絶縁変圧器による非接地化や機械器具内蔵の過電流遮断器のような、省略できる代表的な条件を見落とす

    なぜ引っかかる『金属製外箱=感電の危険がある=漏電遮断器が必須』という単純化した理解をすると、感電・火災のリスクを別の手段(絶縁変圧器、内蔵の過電流遮断器、簡易接触防護措置、乾燥した場所への施設)で抑え込んだ場合に地絡遮断装置を省略できることに気づきにくい

    見破り方地絡遮断装置は原則として必要だが、感電・火災のリスクを別の技術的対策で置き換えられる場合には省略できる、という『対策とセットでの緩和』のパターンで捉える。太陽電池モジュールに接続する屋内配線の対地電圧緩和や、電気さくの絶縁性がないことを前提にした緩和規定と同じ発想が、ここにも現れている

  10. 高圧・特別高圧の地絡遮断装置を施設すべき箇所を、需要設備側だけの話だと思い込み、発電所・変電所側の引出口や配電用変圧器の負荷側の電路にも施設箇所があることを見落とす

    なぜ引っかかる自家用電気工作物(需要設備)の保安管理に意識が向きやすいと、地絡遮断装置の施設義務が発電所・変電所側にも及んでいることに気づきにくい

    見破り方地絡遮断装置を施設すべき箇所を『引出口(発電所・変電所側)』『受電点の負荷側(需要設備側)』『配電用変圧器の負荷側』の3種類に分けて整理する。いずれも『地絡事故が起きたときに、その影響が電路の先へ波及するのを自動的に食い止める』という共通の目的を持ちながら、施設される場所(誰の設備の、どちら側か)が異なる

  11. B種接地工事は低圧側中性点への接地だけがすべてだと思い込み、中性点への接地が施し難い場合の1端子接地や、低圧電路が非接地方式の場合の混触防止板への接地という、電路の構成によって接地箇所が変わる例外を見落とす

    なぜ引っかかる『B種=低圧側中性点』という一対一の対応だけを覚えると、中性点そのものを持たない構成(単相2線式など)や、低圧側をあえて非接地にしている電路のケースに対応できなくなる

    見破り方B種接地工事の接地箇所を、低圧電路の構成によって3パターンに分けて整理する。(1)中性点がある電路は低圧側中性点、(2)中性点への接地が施し難い低圧電路(使用電圧300V以下が目安)は低圧側の1端子、(3)低圧電路が非接地方式の場合は高圧・特別高圧巻線と低圧巻線の間に設けた金属製の混触防止板、という対応関係を先に押さえてから設問文の電路の条件を確認する

参考文献・出典

理解度チェック(19問)

このトピックの内容がどれくらい身についたか、19問で確認しよう。 内訳は基本8問・応用5問・ひっかけ6問。基本が解けたら、条件を足した応用と、本番で足をすくいにくるひっかけまで踏み込む。

/ 19 問正解

覚えておきたいポイント

  1. A種接地工事:高圧・特別高圧機器の外箱、避雷器等が対象。接地抵抗値は10Ω以下。接地線には、引張強さ1.04kN以上の容易に腐食し難い金属線又は直径2.6mm以上の軟銅線を用いる(低圧電路の中性点に施設する接地線についても同じ基準が用いられる。詳細な適用条件は電気設備技術基準の解釈の最新版で確認すること)
  2. 接地工事そのものを省略できる条件(電気設備技術基準の解釈第29条が定める、機械器具の金属製外箱等への接地工事の省略)と、地絡遮断装置(漏電遮断器)を省略できる条件は、別の制度である。前者の代表例は、交流の対地電圧が150V以下(直流の使用電圧が300V以下)の機械器具を乾燥した場所に施設する場合、水気のある場所以外に施設する低圧用の機械器具に電気を供給する電路に、電気用品安全法の適用を受ける漏電遮断器(定格感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下の電流動作型のものに限る)を施設する場合、機械器具の周囲に絶縁台を設ける場合など。後者(地絡遮断装置の省略条件)とは適用場面も条文上の位置づけも異なるが、『乾燥した場所』『絶縁変圧器・漏電遮断器のような別の安全対策』という似た言葉が両方に登場するため、混同しやすい
  3. B種接地工事:高圧または特別高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器の低圧側中性点(中性点がない場合は低圧側の1端子)が対象。接地抵抗値は150/Ig Ω以下が原則(Ig=1線地絡電流[A])。高圧側電路を自動遮断する装置の動作時間に応じて300/Ig、600/Igに緩和される
  4. B種接地工事を施す箇所は、低圧電路の構成によって3パターンに分かれる。(1)低圧側に中性点がある電路は低圧側の中性点、(2)低圧電路の使用電圧が300V以下で中性点への接地が施し難い電路(単相2線式など中性点を持たない構成)は低圧側の1端子、(3)低圧電路が非接地方式である電路は、高圧巻線又は特別高圧巻線と低圧巻線との間に設けた金属製の混触防止板、にそれぞれ施す(具体的な適用条件は電気設備技術基準の解釈の最新版で確認すること)
  5. C種接地工事:300Vを超える低圧機器の外箱等が対象。接地抵抗値10Ω以下(0.5秒以内に動作する漏電遮断器を施設した場合は500Ω以下)
  6. D種接地工事:300V以下の機器の外箱、コンセントの接地極等が対象。接地抵抗値100Ω以下(0.5秒以内に動作する漏電遮断器を施設した場合は500Ω以下)
  7. A・C・D種は「どれだけ高い電圧の事故が、どれだけ人体に波及しうるか」で抵抗値の厳しさが固定的に決まる。B種だけは、実際に流れる地絡電流の大きさ(Ig)を式に組み込んで抵抗値を逆算する点が他の3種と異なる
  8. 棒状接地極の接地抵抗は、大地抵抗率ρと接地極の長さL・直径dから R≈(ρ/2πL)ln(4L/d) という式で理論的に見積もれる。ただし実際の抵抗値は土質のばらつき等の影響を受けるため、現場での実測が欠かせない
  9. 実務で最もよく使われる接地抵抗の測定法が電位降下法(E-S-H法)。被測定接地極(E)・電位を測る補助接地極(S)・電流を流す補助接地極(H)をこの順に一直線上に配置し、Sの位置はEとHの中間付近になる
  10. 1線地絡電流Igが問題文にそのまま与えられない場合、配電線路の公称電圧・こう長(電線延長)から先にIgを計算しなければならないことがある。中性点非接地方式の三相3線式高圧配電線路(電線はケーブル以外)では、電気設備技術基準の解釈が示す式I₁=1+((V/3)L-100)/150 [A](V:公称電圧を1.1で除いた電圧[kV]、L:同一母線に接続される架空配電線路の電線延長[km])で概算できる
  11. 中性点非接地方式の高圧配電線路で一線完全地絡事故が起きたときの地絡電流Igは、線路の対地静電容量C[F]・線間電圧V[V]・周波数f[Hz]から、Ig=2√3πfCVという近似式でも求められる(電線こう長から求める上記の実務式とは別の、静電容量に基づく計算方法)。線路側の対地静電容量C1と需要設備側の対地静電容量C2に分かれている場合、地絡電流はこの比に応じて分流し、需要設備側の零相変流器が検出する電流はおおむねIg×C2/(C1+C2)になる。需要設備の対地静電容量が線路側に比べて小さいほど、需要設備側で検出される電流の割合も小さくなる
  12. 接地工事の種類(A〜D種)とは別に、電路そのものに接地を施すことができる場所も定められている。電路の保護装置の確実な動作の確保・異常電圧の抑制・対地電圧の低下を図るために必要な場合、電路の中性点(使用電圧が300V以下の電路で中性点に接地を施し難いときは電路の一端子)、特別高圧の直流電路、燃料電池の電路又はこれに接続する直流電路といった箇所に接地を施すことができる。また高圧計器用変成器の2次側電路にはD種接地工事を施す。電路は大地から絶縁するのが原則だが、これらは目的(保護装置の動作確保・異常電圧の抑制)を持って例外的に接地する場所として整理されている
  13. 低圧の金属製外箱を有する機械器具の電路には、地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置(漏電遮断器)を施設するのが原則である。ただし、機械器具を乾燥した場所に施設する場合、電路の系統電源側に絶縁変圧器を施設し当該絶縁変圧器の機械器具側の電路を非接地とする場合、機械器具内に過電流遮断器を取り付けて電源引出部の損傷防止も講じる場合、機械器具に簡易接触防護措置を施す場合など、感電・火災のリスクを別の手段で抑え込んだ場合には、この装置を省略できることがある
  14. 高圧又は特別高圧の電路にも、地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置(地絡遮断装置)を施設すべき箇所が定められている。代表的な箇所は、発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所から引き出される電路の引出口、他の者から電気の供給を受ける受電点の負荷側の電路、配電用変圧器(単巻変圧器を除く)の負荷側の電路である。ただし、電線路が発電所・変電所相互間の電線路とみなされる場合に一方側で遮断する装置を施設するときなど、二重に施設しなくても保護の目的を達成できる場合は、この限りでない
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