在庫確認・見積は今すぐ フォームで依頼する 写真の添付もOK / 24時間受付

KIV・IV・HIV電線完全ガイド|違い・使い分け・盤内配線の選び方(JIS C 3316/3307/3317)

・ 読了目安: 9分 ・ 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー)

この記事の結論

KIV(JIS C 3316)・IV(JIS C 3307)・HIV(JIS C 3317)はどれも600V以下で使うビニル絶縁電線で、違いは「柔軟性」と「耐熱性」という別々の軸にある。KIVは導体が可とうよりで、同じ2sqでも素線37本(37/0.26)とIVの7本(7/0.6)より細く多く、扉の開閉部など電線が動く盤内配線に向く。HIVは耐熱性可塑剤を使った絶縁体で、IV・KIVの60℃に対し75℃として扱われ、消防設備の非常電源回路などで指定される。

よくある失敗の例:扉の開閉部に一般配線用の電線を使う

制御盤の増設で、扉に取り付けた操作パネル(押しボタン・表示灯)への配線に、手元にあった一般配線用の電線を流用したとする。扉を開け閉めするたびに、ヒンジ部分の配線は繰り返し曲げられる。しなやかさの足りない電線をこうした場所に使うと、屈曲部の断線や接触不良を招きやすい(説明のための想定例)。

違いは導体の素線の細さと本数にある。同じ2sqでも、IVのより線は直径0.6mmの素線7本(7/0.6)、KIVは直径0.26mmの素線37本(37/0.26)でできている(住電HSTケーブル・タツタ電線の構造表)。JIS C 3316はKIVの導体を「可とうより」と定めている。盤内配線・扉の開閉部・振動のある機器周りなど「動く配線」にはKIVを使う——これが本記事の核心である。

KIV・IV・HIVとは

制御盤のフタを開けると走っている色とりどりの単心電線——その正体がこの3種です。いずれも600V以下の配線に使うビニル絶縁電線で、JIS規格でそれぞれ規定されています。

  • IV(JIS C 3307): 600Vビニル絶縁電線。一般電気工作物・機器の配線用の基本形
  • KIV(JIS C 3316): 電気機器用ビニル絶縁電線。細い素線を撚った柔軟タイプで、盤内配線の主役
  • HIV(JIS C 3317): 600V二種ビニル絶縁電線。耐熱性可塑剤を使った耐熱タイプ

【選定マップ】どれを使うかを最短で決める

配線先選ぶ電線
制御盤・機器の内部(曲げ回しが多い)KIV(柔軟・盤内の主役)
建物の一般配線(電線管収容)、耐熱不要IV(一般配線の基本形)
建物の一般配線、耐熱が必要(発熱機器・消防設備等)HIV(耐熱タイプ)
外装(シース)も必要(ケーブルとして敷設)VVF・CV等のケーブルを検討

これらは絶縁電線(シースなし)なので、建物の配線では電線管やダクトに収めて使うのが基本です。外装(シース)が必要な場所はVVFやCVなどのケーブルの担当です。

3種の比較一覧

種類規格2sqの導体構成最高許容温度主な使いどころ
KIVJIS C 331637/0.26(可とうより)60℃制御盤・配電盤の盤内配線、機器内部配線
IVJIS C 33077/0.6(単線もあり)60℃電線管内の一般屋内配線、接地線
HIVJIS C 33177/0.6(単線もあり)75℃発熱機器まわり、消防設備の非常電源回路・操作回路

同じ公称断面積で導体構成を比べると、柔軟性の差がはっきりする(IVは住電HSTケーブルのIV LF、KIV欄はタツタ電線のJIS C 3316準拠品『ネツタフ115 (S)HKIV』の構造表。単位は本/mm)。

公称断面積IV(より線)KIV仕上り外径の目安(IV/JIS C 3316準拠品)
1.25sq7/0.4550/0.183.0mm/3.1mm
2sq7/0.637/0.263.4mm/3.4mm
3.5sq7/0.845/0.324.0mm/4.1mm
5.5sq7/1.070/0.325.0mm/5.1mm

仕上り外径はほぼ同じで、違うのは導体の中身である。外径はメーカー・製品で異なるため、端子や配線ダクトの選定ではそのメーカーの構造表で確認する。

一段深い理解:なぜKIVは曲げに強く、耐熱グレードとは別の話なのか

3種の違いを整理すると、実は2つの独立した軸が混ざっていることに気づく。

  • 柔軟性の軸:導体を構成する素線が細く多いほど、繰り返しの曲げに強い(=疲労寿命が長い)。KIVはこの軸で最も柔軟な構造を持つ。
  • 耐熱性の軸:絶縁体の最高許容温度で決まる。IV・KIVは60℃、耐熱性可塑剤を使ったHIVは75℃として扱われる。電気設備の技術基準の解釈の146-3表は、許容電流補正係数の計算式を「ビニル混合物(耐熱性を有するものを除く)」は60℃、「ビニル混合物(耐熱性を有するものに限る)」は75℃を上限として分けている(パナソニックの許容電流表もIVを最高許容温度60℃の電線とし、住電HSTケーブルの仕様書は高温側の絶縁抵抗をIVで60℃、HIVで75℃で規定している)。

つまり「柔軟かどうか」と「耐熱かどうか」は別次元の話で、KIVと同じ可とうより導体に耐熱ビニルを組み合わせたH-KIVのような製品もある(タツタ電線の資料はKIVを60℃、HKIVを75℃として許容電流を分けて示している)。盤内配線で耐熱品を選ぶ理由は「柔らかいから」ではなく「発熱源の近くで許容温度を稼ぎたいから」であり、単に柔軟性だけが目的ならKIVで十分なケースが多い。発注時に「なぜHIVが必要なのか(温度条件があるのか、曲げに強いものが欲しいだけなのか)」を整理しておくと、過剰スペックでのコスト増や、逆に温度条件を見落として絶縁劣化を招くミスの両方を避けられる。

KIVが盤内配線の主役になっているのも、この柔軟性の軸に由来する。制御盤の扉の開閉部・可動する端子台まわり・振動源に近い配線など、電線が物理的に動かされる場所では、素線の細さがそのまま疲労寿命の差になって現れる。逆に、電線管の中に固定して収める一般屋内配線では曲げ疲労のリスクが小さいため、IVで十分機能する。

どこでどう使われているか——現場別の使いどころ

現場使う電線ポイント
制御盤の主回路・操作回路KIV電流値からsqを選定。曲げ回しに強い
分電盤・配電盤の盤内渡りKIV/IV配電盤ソリューション参照
電線管(PF管・金属管)内の屋内配線IVケーブルではなく絶縁電線を管に収める工法
接地(アース)線IV/KIV 緑接地線は緑(緑/黄)で識別するのが一般的
発熱する機器・熱源近くHIV(盤内はH-KIV等)温度条件を確認して耐熱タイプへ
屋内消火栓設備などの非常電源回路・操作回路HIV又は同等以上の耐熱電線消防法施行規則第12条の指定。施設方法(金属管工事等)も条文で決まる

盤内でKIVと組み合わせる圧着端子・スイッチ・電源などの部材一式は制御盤ソリューションにまとめています。

どう注文するか——失敗しない発注のしかた

注文は「種類+サイズ(sq)+色+長さ」で伝われば間違いがありません。

例: 「KIV 1.25sq 黄 を 200m巻で 1巻」
    「IV 5.5sq 緑 を 30m 切断で」
  • 荷姿: 巻(定尺)か切断(必要なm数)かを指定します。標準条長はメーカー・サイズで異なります
  • 色: IV・HIVはメーカー仕様で黒・白・赤・緑・黄・青の6色が基本(住電HSTケーブル)。KIV系には茶・橙・紫・灰・緑/黄などまで揃える製品もあります。色別の数量を明記してください
  • サイズ: 0.75/1.25/2/3.5/5.5sq…が汎用。電流値と照らして選定に迷う場合はご相談ください
  • 価格: 銅建値(銅の月次相場)に連動するため、見積りは発注直前に取り直すのが鉄則です

KIV・IV・HIVの購入・見積りについて

KIV・IV・HIVの見積りは、電設資材専門商社・松本電業株式会社(東京都台東区台東2-4-11)の見積フォームから依頼できます。種類・sq・色・数量を添えてください。

あわせて読みたい

関連するKIV・IV・違い・電線・盤内配線の品種・型番をお探しですか?
電材サーチでは、メーカー横断で目的の型番を素早く見つけ、そのまま見積もりを依頼できます。

よくある質問

KIVとIVの違いは何ですか?

導体の柔らかさと主用途が違います。どちらも600Vのビニル絶縁電線ですが、IV(JIS C 3307)は一般配線用で導体が比較的硬く、KIV(JIS C 3316)は細い素線を撚った柔軟な導体で、制御盤内の曲げ回しの多い機器配線に向いています。盤内配線の主役はKIVです。

HIVはどんなときに使いますか?

耐熱性が必要なときです。HIV(JIS C 3317)は耐熱性可塑剤を使った二種ビニル絶縁電線で、IV(60℃)より高い75℃として扱われます。発熱する機器まわりのほか、消防法施行規則第12条は屋内消火栓設備の非常電源回路や操作回路の配線に『600V二種ビニル絶縁電線又はこれと同等以上の耐熱性を有する電線』を使うよう定めており、他の消防用設備にも準用されています。

盤内配線の電線の色はどう選びますか?

接地線は緑(緑/黄)で識別するのが一般的で、メーカー仕様書にも緑/黄を接地線用とするものがあります。その他の色(黒・白・赤・黄・青など)は回路種別ごとに社内基準や盤の設計基準で使い分けるのが実務です。住電HSTケーブルの仕様書ではIV・HIVの色を黒・白・赤・緑・黄・青の6色としています。指定色がある場合は発注時に色を明記してください。

KIV・IV・HIVはどこで購入できますか?

電設資材専門商社の松本電業株式会社(東京都台東区台東2-4-11)の見積フォームから問い合わせできます。種類・サイズ(sq)・色・数量(巻または切断m数)を添えてください。

参考文献・出典

確認・変更の記録

出典照合日: (AIによる照合補助)

既存出典3件(日本規格協会のJIS C 3316・3307・3317の規格概要)の到達と適用範囲の記述が一致することを確認し、規格概要では温度・導体構成を確認できないため一次資料6件を追加。経済産業省の電技解釈(令和7年11月20日改正版、curlはWAF画面のためブラウザで確認)146-3表で、耐熱性のないビニル混合物60℃・耐熱性のあるビニル混合物75℃の区分を確認。住電HSTケーブルIV LF仕様書でより線構成(1.25sq=7/0.45、2sq=7/0.6、3.5sq=7/0.8、5.5sq=7/1.0)・外径・6色・高温絶縁抵抗60℃、HIV LF仕様書で耐熱ビニル・高温絶縁抵抗75℃・タイネツ表示、タツタ電線の仕様書(JIS C 3316準拠)でKIV導体構成(2sq=37/0.26等)とKIV 60℃/HKIV 75℃の許容電流区分、パナソニックでIVの最高許容温度60℃、e-Gov法令APIで消防法施行規則第12条第1項第4号ホ・第5号の二種ビニル絶縁電線指定を確認。従来の『IV・KIV 60℃/HIV 75℃は各JIS規格に規定』は規格概要で確認できないためメーカー資料の記載に、『HIVにも柔軟な撚り線タイプ』はH-KIVの記述に修正。出典のない現場の断線体験談は想定例と明示し、『疲労耐性が段違い』『KIVは各色の流通在庫が豊富』『標準100〜300m巻』と自社対応の約束(切断販売対応・迅速な見積回答)は削除または一般的な表現に修正。HIV 75℃の根拠は電技解釈146-3表の区分と、HST仕様書の高温試験温度・タツタ電線のHKIV区分による。接地線の色の根拠は内線規程等の一次資料では未確認

個別設備の適合判定・技術者による承認を示すものではありません。

型番不明でもOK

この記事の内容で、製品選定から相談できます

「KIV・IV・HIV電線完全ガイド|違い・使い分け・盤内配線の選び方(JIS C 3316/3307/3317)」に関連する製品を、用途・仕様・写真からお探しします。リンク先には相談内容を入れた状態で用意するため、型番が分からなくてもそのまま進められます。 手書きメモや型番リストの写真・PDFでも依頼できます。

AIと状況を整理してから相談する

普段お使いのChatGPT・Gemini・Perplexity等に貼り付けられる質問文をコピーできます。 自分の状況を伝えて相談すると、最後に電材サーチへの見積依頼文もまとめてもらえます。