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理論 ・ 15 / 16

電気計測(分流器・倍率器・計器の種類)

読み終えると、こうなる

テスタやクランプメータの仕様表にある「内部抵抗」「レンジ」「階級」の数字が、何のためにその値になっているかを読み解けるようになる

  • 計器の内部抵抗と定格電流(電圧)から、測定範囲を拡大する分流器・倍率器の抵抗値を計算できる
  • 可動コイル形・可動鉄片形・電流力計形・整流形・誘導形・熱電形・静電形といった指示電気計器の種類を、それぞれの動作原理から直流専用・交流専用・交流直流両用のどれに分類されるか判別でき、電流計を負荷に直列に入れて電力を測る回路で、電流計自身の内部抵抗が測定値にどれだけの誤差率を生むかを計算できる。測定値と真の値の差から絶対誤差・相対誤差(誤差率)を計算できる
  • ホイートストンブリッジや電位差計(すべり抵抗器を使った零位法)の平衡条件から未知抵抗・未知電圧を計算でき、指針の振れをそのまま読み取る偏位法との違いを説明できる。交流ブリッジでは複素数のインピーダンスの平衡条件Ż1Ż4=Ż2Ż3から未知インピーダンス(抵抗分・リアクタンス分)を求められ、多重レンジ設計や、クランプメータ・絶縁抵抗計・接地抵抗計、ディジタル計器(A-D変換器・量子化・オートレンジ)など現場でよく使う計器の使い分けも判断できる。電位差計で電池の起電力Eをまず零位法で正確に求めたうえで、その電池に既知抵抗を接続して電流を1回測定するだけで内部抵抗rを計算でき、起電力・内部抵抗の両方が未知で2回の測定が必要になる分圧・分流の連立方程式の方法との違いを説明できる
  • ファラド・ワット・ジーメンス・テスラ・ウェーバといった固有の名称を持つSI組立単位を、基本単位や他の組立単位の組み合わせ(C/V、J/sなど)で書き換えられる
考えてみよう

テスタ(回路計)の電流測定レンジには「50mA」「500mA」のように複数の目盛がある。 だが計器の心臓部である可動コイルは、そのままでは数mA程度しか流せない繊細な部品だ。 壊すことなく、切ることもなく、レンジを切り替えるだけで500mAまで測れてしまうのはなぜか。

同じテスタで電圧レンジを1V、10V、100Vと切り替えられるのも、実は仕組みは同じだ。

このトピックを読み終えるころには、テスタやクランプメータの中で何が起きているかを、 計器の内部抵抗という1つの数字から言い当てられるようになっている。

種明かしは、計器本体に小さな抵抗をもう1本、並列か直列で足すだけという単純な仕組みにある。 並列に足せば分流器、直列に足せば倍率器と呼ぶ。

分流器 — 電流計の測定範囲を広げる並列抵抗

可動コイル形電流計のコイルには、内部抵抗 RaR_a と、安全に流せる上限の電流(定格電流)IaI_a がある。 このコイルより大きな電流 II を測りたいとき、コイルと並列に抵抗 RsR_s(分流器)を追加し、 超過分の電流をそちらへ迂回させる。

コイルと分流器は並列だから、両端にかかる電圧は等しい。コイルに定格の IaI_a だけを流し、 残り (IIa)(I - I_a) を分流器に流すとすると、

IaRa=(IIa)RsI_a R_a = (I - I_a) R_s

これを整理すると、測定倍率 m=I/Iam = I/I_a と分流器の抵抗の関係が求まる。

m=1+RaRs,Rs=Ram1m = 1 + \frac{R_a}{R_s}, \quad R_s = \frac{R_a}{m-1}

例題

内部抵抗9Ω、定格電流1mAの電流計を使い、最大10mAまで測定できるようにしたい。 必要な分流器の抵抗はいくらか。

m=10mA1mA=10,Rs=9101=1Ωm = \frac{10\text{mA}}{1\text{mA}} = 10, \quad R_s = \frac{9}{10-1} = 1\Omega
極端な値で検算すると腑に落ちる。分流器の抵抗 $R_s$ を限りなく0に近づけると、電流はほとんど 分流器側に逃げてしまい、コイルにはごくわずかしか流れない。つまり同じ $I_a$ を保ったまま、 測れる全体の電流 $I$ はどんどん大きくできる($m \to \infty$)。式に $R_s \to 0$ を入れると $m = 1 + R_a/R_s \to \infty$ となり、直感と一致する。

倍率器 — 電圧計の測定範囲を広げる直列抵抗

電圧計も仕組みは同じだが、接続の向きが逆になる。可動コイル形電圧計は、内部抵抗 RaR_a のコイルで 定格電圧 VaV_a まで測れるようにできている。これより大きな電圧 VV を測りたいとき、コイルと 直列に抵抗 RmR_m(倍率器)を追加し、超過分の電圧をそちらに肩代わりさせる。

直列だから流れる電流は共通で、

VaRa=VVaRm\frac{V_a}{R_a} = \frac{V - V_a}{R_m}

これを整理すると、

m=1+RmRa,Rm=Ra(m1)m = 1 + \frac{R_m}{R_a}, \quad R_m = R_a (m-1)

分流器の式が割り算(RaR_a(m1)(m-1) で割る)だったのに対し、倍率器の式は掛け算 (RaR_a(m1)(m-1) を掛ける)になる点が、分圧・分流の関係と同じく対になっている。

例題

内部抵抗1kΩ、定格電圧1Vの電圧計を使い、最大5Vまで測定できるようにしたい。 必要な倍率器の抵抗はいくらか。

m=5V1V=5,Rm=1000×(51)=4000Ω=4kΩm = \frac{5\text{V}}{1\text{V}} = 5, \quad R_m = 1000 \times (5-1) = 4000\Omega = 4\text{k}\Omega
こちらも極端な値で確認できる。倍率器の抵抗 $R_m$ を0にすれば(=抵抗を足さなければ)、 $V = V_a$ で測定範囲は広がらない($m=1$)。$R_m$ を大きくするほど、コイルには一定の $V_a$ しかかからないまま、全体として測れる電圧 $V$ はどんどん大きくできる。式に $R_m \to \infty$ を入れると $m \to \infty$ となり、直感と一致する。

複数レンジの電圧計 — 倍率器を鎖でつなぎ、差分で各段の抵抗を求める

ここまでの倍率器は、1つの計器に対して1つの測定範囲だけを作る話だった。だが実際の テスタやパネルメータは、1台で複数のレンジ(例:5V・10V・50V)を切り替えられる。

このとき、レンジごとに独立した倍率器を1本ずつ用意して都度スイッチで抜き差しする方式は 避けたい。切り替えの瞬間にコイルが一時的にどの抵抗ともつながらない(無防備な)状態が 生じ、そこに電圧がかかるとコイルを壊してしまう危険があるからだ。実務では、複数の抵抗 R1R_1R2R_2R3R_3…を直列につないだ抵抗の鎖を用意し、切り替えスイッチで 「端子をこの鎖のどの位置につなぐか」だけを変える方式がとられる。この方式なら、 切り替えの前後どちらでもコイルは必ずどれかの抵抗を通じて保護された状態を保てる。

各段の抵抗値を求める考え方は、単一レンジの倍率器の式をそのまま応用できる。あるレンジの 測定倍率を mm とすると、そのレンジまでの倍率器部分の合計抵抗(コイル自身RaR_aを 除いた、直列につながる抵抗すべての合計)は Ra(m1)R_a(m-1) になる。ここで注意したいのは、 2段目以降のレンジでは、この合計値の中に手前のレンジですでに求めた抵抗が含まれている という点だ。新しく求めたい抵抗は、合計値から手前の分を差し引いた差分になる。

例題

内部抵抗100Ω、定格電圧1Vの可動コイル形電圧計に、倍率器としてR1R_1R2R_2R3R_3を 直列にした抵抗の鎖を接続し、測定範囲を5V・10V・50Vの3段階に切り替えられるようにしたい (5Vレンジは端子をR1R_1の先に、10Vレンジは端子をR1R_1R2R_2の先に、50Vレンジは 端子をR1R_1R2R_2R3R_3すべての先につなぐ)。

まず5Vレンジ(m=5m=5)は、単一レンジの倍率器の式そのままでよい。

R1=Ra(m1)=100×(51)=400ΩR_1 = R_a(m-1) = 100\times(5-1) = 400\Omega

次に10Vレンジ(m=10m=10)は、R1+R2R_1+R_2の合計が倍率器部分にあたる。

R1+R2=Ra(101)=900ΩR2=900400=500ΩR_1+R_2 = R_a(10-1) = 900\Omega \quad \Longrightarrow \quad R_2 = 900-400 = 500\Omega

最後に50Vレンジ(m=50m=50)も同様に、R1+R2+R3R_1+R_2+R_3の合計から、すでに求めた R1+R2=900ΩR_1+R_2=900\Omegaを差し引く。

R1+R2+R3=Ra(501)=4900ΩR3=4900900=4000ΩR_1+R_2+R_3 = R_a(50-1) = 4900\Omega \quad \Longrightarrow \quad R_3 = 4900-900 = 4000\Omega
多重レンジの抵抗を求めるときの落とし穴は、$R_a(m-1)$で出てきた値を、そのまま「その段の 抵抗1本の値」だと思い込んでしまうことだ。この値は常に「そのレンジまでの合計」であり、 2段目以降は必ず手前のレンジで求めた分を差し引く一手間が必要になる。レンジを1つ大きく するごとに「合計はいくつ増えるか」を確認する、という手順で一段ずつ計算するとよい。

計器の種類 — 何を利用して、直流・交流のどちらを測れるか

計器は内部で使っている物理現象によって、直流専用か交流・直流両用かが決まる。

  • 可動コイル形:永久磁石の磁界中で可動コイルに働く力(フレミング左手の法則)を利用する。 力の向きが電流の向きで決まるため直流専用。交流を測るには整流器を組み合わせる。
  • 可動鉄片形:固定コイルが作る磁界の中で、鉄片同士が反発・吸引する力を利用する。 電流の向きが変わっても鉄片の動く向きは変わらないため、交流・直流の両方に使える。
  • 電流力計形:2つのコイル間に働く力(電流の積に比例)を利用する。電力計に使われることが多く、 交流・直流の両方に対応する。
  • 熱電形:電流による発熱を利用し、その熱を熱電対で電気信号に変える。波形によらず実効値を 正確に指示できるのが特徴。
  • 静電形:帯電した金属板の間に働く静電気力を利用する。主に高電圧の測定に使われる。
  • 整流形:ダイオードによる整流回路と可動コイル形計器を組み合わせたもの。可動コイル自体は 直流(整流した波形の平均値)しか指示できないため、交流専用として扱われる。目盛は正弦波を 前提に、平均値を波形率(約1.11)倍した「実効値相当」で校正されている(実効値・平均値・ 波形率のトピックで見た『平均値応答実効値表示』の中身がまさにこれだ)。
  • 誘導形:交流の磁束が時間とともに変化することで、導体(アルミ円板など)の中に渦電流を 誘導し、その渦電流と磁束との間に働く力で駆動する仕組み。磁束が時間変化しない直流では 渦電流そのものが発生しないため、交流専用になる。電力量計(積算電力計)に使われる 円板がゆっくり回転する仕組みは、この誘導形の動作原理そのものだ。
計器の種類が増えると『可動コイル形だけが直流専用で、残りは全部交流・直流両用』と単純化 して覚えてしまいがちだが、整流形・誘導形はどちらも交流専用であり、直流専用の可動コイル形と 対になる形で『交流専用の仲間』が別に存在する。判断に迷ったら、その計器が利用している物理現象に 交流特有の要素(ダイオードによる整流、時間変化する磁束が生む渦電流)が含まれているかどうかを 確認するとよい。なお、各計器の種類にはJISで定められた固有の記号(可動コイル形は丸に横棒、 整流形はダイオード記号、誘導形は渦巻き状の矢印など)があり、計器の目盛板に表示されている。 記号の正確な形はJIS C 1102などの規格で確認できるが、試験対策としては、まず動作原理と 直流・交流の適用範囲を原理から判断できることを優先したい。

電流計・電圧計を回路に入れるときの心得

計器は測定対象の回路にどう接続されるかによって、内部抵抗の理想の向きが正反対になる。

電流計は回路に直列に割り込む。計器自身の抵抗が回路の合計抵抗に上乗せされてしまうため、 内部抵抗はできるだけ小さい方が、測定によって元の電流を変えてしまう影響が小さい。

電圧計は測定したい2点間に並列に接続する。計器に流れ込む電流は、測定対象の回路から 奪われた電流であり、内部抵抗が小さいほど多くの電流を奪って本来の電圧を変えてしまう。 だから電圧計の内部抵抗はできるだけ大きい方がよい。

これは分圧・分流の考え方の応用でもある。制御盤の中でセンサー回路の電圧をテスタで測ろうとして、 そのテスタの内部抵抗がセンサー側の抵抗と同程度に低いと、テスタをつないだ瞬間に回路の電圧配分が 変わってしまい、正しい値が読めない――という現象は、まさにこの負荷効果そのものだ。

なお計器の精度は「階級指数」(例:0.5級)として表され、これは最大目盛に対する許容誤差の パーセンテージを意味する。0.5級の計器なら、最大目盛の±0.5%以内の誤差に収まることが保証される。

ゼーベック効果 — 熱電形計器の中で起きている現象

熱電形計器の項目で「熱電対」という言葉が出てきたが、この熱電対の中で実際に起きている 現象を見ておこう。

種類の異なる2本の金属線A・Bをつなぎ合わせて1つの閉回路を作り、その2つの接合点を 互いに異なる温度に保つと、回路に起電力が生じて電流が流れる。 この現象を ゼーベック効果という。温度差だけで電気が生まれるこの性質を利用した温度センサーが 熱電対であり、電力測定用の熱電形計器の検出素子としても使われている。

なお、ゼーベック効果とは逆に、閉回路に外部から電流を流すことで、2つの接合点に 吸熱・発熱という形の温度差を生じさせる現象もある。これをペルチェ効果と呼ぶ。 「温度差→電気」がゼーベック効果、「電気→温度差」がペルチェ効果と、原理が逆向きの 対になっている。

ゼーベック効果は、名前が似ている他の効果と混同しやすい。ホール効果は「磁界の中を流れる 電流」が主役で、磁界がなければ起きない現象だ。一方ゼーベック効果は「異なる金属の接合点の 温度差」が主役で、磁界は一切関係しない。「磁界が絡むならホール効果、温度差だけならゼーベック 効果」と、現象を引き起こす条件そのもので区別するのが取り違えない一番の近道だ。

現場でよく使う計器 — クランプメータ・絶縁抵抗計・接地抵抗計・電子電圧計

ここまで見た可動コイル形・可動鉄片形などは、計器の「内部構造」による分類だった。ここからは、 現場で実際に手に取る計器を、何を測るための道具かという観点で整理する。

  • クランプメータ:電線を切ることなく、電線の周りにできる磁界を検知して電流を測る計器。 1本の電線だけをクランプ(挟み込む)して測定する。往復2本の電線をまとめてクランプすると、 行きと帰りの電流が作る磁界が互いに打ち消し合ってしまい、正しく測定できない点に注意したい。
  • 電子電圧計:増幅器と可動コイル形計器を組み合わせた計器で、増幅器を挟むことで内部抵抗を 非常に大きくできる。内部抵抗が大きいほど負荷効果(測定対象から電流を奪ってしまう影響)が 小さくなるため、微小な電圧から高い電圧まで、より正確に測定できる。
  • 絶縁抵抗計(メガー):電線と大地の間、あるいは機器内部の導体と外装(大地)の間の絶縁が どれだけ保たれているかを測る計器。屋内配線や機器の絶縁劣化を点検する目的で使う。
  • 接地抵抗計:接地電極そのものと大地との間の抵抗(接地抵抗)を測る計器。絶縁抵抗計とは 測る対象がまったく異なる(絶縁抵抗計は「絶縁がどれだけ保たれているか」、接地抵抗計は 「接地がどれだけ確実に大地とつながっているか」)ため、名前が似ていても混同しないようにしたい。
「絶縁抵抗計」と「接地抵抗計」は名前が紛らわしいが、測っている対象は正反対に近い。絶縁抵抗計は 電気を『通さないはずの部分』がきちんと通さないかを確認する道具、接地抵抗計は電気を『流すべき 部分(接地線と大地の間)』がきちんと流れるかを確認する道具——「絶縁」と「接地」という言葉の 意味そのものに立ち返れば、取り違えを防げる。

ホイートストンブリッジ — 検流計の指示が0になる一点から、未知抵抗を割り出す

分流器・倍率器は「すでに分かっている抵抗値」を使って測定範囲を広げる仕組みだった。逆に、 分かっていない抵抗の値そのものを精密に求めたいときに使われるのが、ホイートストン ブリッジという回路だ。

4つの抵抗をひし形に配置する。上側2辺をPP(左)・QQ(右)、下側2辺を既知の可変抵抗 SS(左)・測定したい未知抵抗RxR_x(右)とし、上側と下側の中間点どうしを検流計でつなぎ、 左右の両端に電源をつなぐ。

SSの値を少しずつ調整していくと、ある値でちょうど検流計の指示が0になる瞬間が訪れる。 これをブリッジが平衡した状態と呼ぶ。検流計に電流が流れないということは、上側の PP-QQと下側のSS-RxR_xが、それぞれ独立した分圧回路としてまったく同じ比率で 電圧を分けていることを意味する。この条件を整理すると、次の関係が得られる。

P×Rx=Q×SRx=Q×SPP \times R_x = Q \times S \quad \Longrightarrow \quad R_x = \frac{Q \times S}{P}

例題

上側2辺の抵抗をP=40Ω・Q=60Ω、下側2辺を既知の可変抵抗S=120Ω・未知抵抗RxR_xとし、 Sをちょうど120Ωに調整したところ検流計の指示が0になった。RxR_xを求めよ。

Rx=60×12040=180ΩR_x = \frac{60\times120}{40} = 180\Omega
どの2辺とどの2辺を掛け合わせるかで迷ったら、「検流計に電流が流れない=上下の枝が 同じ分圧比で電圧を分けている」という出発点に戻る。上側の比P:Qと下側の比S:Rxが 等しくなる(P/Q=S/Rx)と考えれば、これを整理したP×Rx=Q×Sという関係を、丸暗記 せずにその場で導ける。

このホイートストンブリッジの原理は、抵抗の一部を目盛り付きの滑り抵抗器に置き換えた 「メーターブリッジ」など、実務で使う精密抵抗測定器の基本構成にもなっている。テスタの 簡易的な抵抗レンジでは得られない高い精度で未知抵抗を測定できるのは、平衡という 「電流が正確に0になる一点」を基準にしているためだ。

交流ブリッジ — 複素数のインピーダンスで未知の抵抗・リアクタンスを求める

ホイートストンブリッジは直流回路で未知の抵抗を求める仕組みだったが、同じ「対辺の積が 等しくなる」平衡の考え方を、交流回路の未知のインピーダンス(抵抗分+リアクタンス分)に 拡張したものが交流ブリッジだ。4つのアームの抵抗PPQQSSRxR_xを、複素数の インピーダンスZ˙1\dot Z_1Z˙2\dot Z_2Z˙3\dot Z_3Z˙x\dot Z_xに置き換えるだけで、平衡条件は DCブリッジとまったく同じ対辺の積が等しいという形で書ける。

Z˙1Z˙x=Z˙2Z˙3\dot Z_1 \dot Z_x = \dot Z_2 \dot Z_3

ここで注意したいのは、インピーダンスが複素数だという点だ。この1つの式は、見た目こそ DCブリッジと同じでも、中身は実部どうし・虚部どうしという2つの実数の条件を同時に 表している。未知インピーダンスZ˙x=Rx+jXx\dot Z_x=R_x+jX_xには、抵抗分RxR_xとリアクタンス分XxX_x という2つの未知数があるため、これを決めるには可変にできる素子も2つ(例えば可変抵抗と 可変コンデンサ)用意し、両方を調整して初めて検流計(交流用のため、実際には交流用の検出器) の指示がちょうど0になる平衡点にたどり着ける。

例題

交流ブリッジの4つのアームのインピーダンスをZ˙1\dot Z_1Z˙2\dot Z_2Z˙3\dot Z_3Z˙x\dot Z_xとし、 平衡条件Z˙1Z˙x=Z˙2Z˙3\dot Z_1\dot Z_x=\dot Z_2\dot Z_3が成り立っているとする。Z˙1=100Ω\dot Z_1=100\Omega (純抵抗)、Z˙2=50Ω\dot Z_2=50\Omega(純抵抗)、Z˙3=40+j30Ω\dot Z_3=40+j30\Omegaのとき、未知インピーダンス Z˙x\dot Z_xを求める。

Z˙x=Z˙2Z˙3Z˙1=50×(40+j30)100=2000+j1500100=20+j15Ω\dot Z_x = \frac{\dot Z_2 \dot Z_3}{\dot Z_1} = \frac{50\times(40+j30)}{100} = \frac{2000+j1500}{100} = 20+j15\,\Omega

実部(抵抗分)が20Ω20\Omega、虚部(リアクタンス分)が+j15Ω+j15\Omega(正の符号=誘導性、 つまりコイル的な性質)と求まる。

交流ブリッジの計算で迷ったら、まず対辺の積が等しいという式の**形**はDCブリッジと同じだと 確認してから、右辺・左辺を複素数のまま掛け算・割り算する。虚部の符号(+ならコイル的、 −ならコンデンサ的な性質)を最後まで残しておくことが、未知インピーダンスの正体(抵抗と コイルの直列か、抵抗とコンデンサの直列か)を判断する手がかりになる。

偏位法と零位法 — 「指針を読む」測定と「つり合わせる」測定

ここまで見てきた計器を、測定のやり方という切り口で見直すと、大きく2つに分類できる。

  • 偏位法:指示計器の指針が振れる大きさを、そのまま測定量として読み取る方法。 分流器・倍率器を組み合わせた電流計・電圧計は、この偏位法にあたる。
  • 零位法:既知量(可変抵抗や基準電圧など)を調整して測定量とつり合わせ(平衡させ)、 そのときの既知量の大きさから測定量を求める方法。ホイートストンブリッジは、この 零位法の代表例だ。

零位法は、検流計の指示がちょうど0になる一点だけを基準にするため、指針の目盛の 精度(読み取り誤差)に左右されにくく、偏位法よりも高精度な測定ができる。

電位差計 — 未知の直流電圧を、電流を流さずに測る零位法の計器

ホイートストンブリッジが零位法で未知の抵抗を測る計器だったのに対し、同じ零位法の 考え方で未知の直流電圧を測る計器が電位差計(ポテンショメータ)だ。

すべり抵抗器(全体の抵抗RabR_{ab})に、安定した既知の電圧EsE_sの電池を接続すると、 すべり抵抗器の上には一様な電圧勾配ができる。一端から接触子までの抵抗をRxR_xとすると、 その位置での電圧はEs×(Rx/Rab)E_s\times(R_x/R_{ab})になる。ここへ未知の直流電圧ExE_xを、 検流計を介して接続し、接触子の位置(RxR_x)を調整していく。検流計の指示がちょうど 0になった(平衡した)瞬間、その位置の電圧とExE_xが等しくなっているので、

Ex=Es×RxRabE_x = E_s\times\frac{R_x}{R_{ab}}

という式で未知電圧ExE_xを求められる。

例題

すべり抵抗器(全体の抵抗Rab=100ΩR_{ab}=100\Omega)に電池Es=10VE_s=10\text{V}を接続し、 一様な電圧勾配を作った。すべり抵抗器の一端から接触子までの抵抗がRx=35ΩR_x=35\Omegaの とき、未知の直流電圧ExE_xをつないだ検流計の指示がちょうど0になった。ExE_xを求めよ。

Ex=Es×RxRab=10×35100=3.5VE_x = E_s\times\frac{R_x}{R_{ab}} = 10\times\frac{35}{100} = 3.5\text{V}
電位差計の最大の利点は、平衡した瞬間には検流計に電流が流れていない、という点にある。 電圧計を直接つないで測定する方式は、電圧計自身にも電流が流れ込む(負荷効果)ため、 測定対象の電圧をわずかに変えてしまう。電位差計は平衡点では電流が0なので、この負荷効果が 理論上まったく生じない——ホイートストンブリッジが精密な抵抗測定器であるのと同じ理由で、 電位差計は精密な電圧測定器として使われる。電位差計とホイートストンブリッジは、どちらも 「すべり抵抗器+検流計で平衡点を探す」という見た目は似ているが、前者は未知**電圧**を、 後者は未知**抵抗**を求めるという点で、測定対象がまったく違う点を区別しておきたい。

電位差計で起電力が分かれば、内部抵抗は電流1回の測定で求まる

分圧・分流の単元では、電池の起電力EEと内部抵抗rrがどちらも未知のとき、外部抵抗RRを 2通りに変えて2組の(R,I)(R,I)を測定し、連立方程式E=I1(r+R1)E=I_1(r+R_1)E=I2(r+R2)E=I_2(r+R_2)を解く 方法を見た。未知数が2つ(EErr)だから、式も2本必要だった。

ここで電位差計を使うと、この手間を1回分減らせる。電位差計の平衡点で求まる電圧は、 電流が流れていない状態の値、すなわち電池の起電力EEそのもの(端子電圧ではない) だったことを思い出そう。このEEが電位差計によって先に正確に分かっていれば、残る未知数は 内部抵抗rrの1つだけになる。既知抵抗RRを接続して電流II1回だけ測定すれば、

E=I(r+R)r=EIRE = I(r+R) \quad \Longrightarrow \quad r = \frac{E}{I} - R

という式1本だけでrrを求められる。未知数の数と、必要な測定(式)の本数を一致させる、 という分圧・分流の単元と同じ考え方だが、電位差計によってEEという未知数を先に1つ 消しておける分、必要な測定回数が2回から1回に減る。

例題

すべり抵抗器(全体の抵抗Rab=200ΩR_{ab}=200\Omega)に電池Es=8VE_s=8\text{V}を接続し、未知の電池 ExE_xを検流計を介して接続した。接触子までの抵抗がRx=90ΩR_x=90\Omegaのとき検流計の指示が ちょうど0になった。

Ex=Es×RxRab=8×90200=3.6V(起電力)E_x = E_s\times\frac{R_x}{R_{ab}} = 8\times\frac{90}{200} = 3.6\text{V(起電力)}

続いて、この電池ExE_xに既知抵抗R=0.4ΩR=0.4\Omegaを接続してアンメータで電流を測定したところ I=6AI=6\text{A}であった。内部抵抗rrを求める。

r=ExIR=3.660.4=0.60.4=0.2Ωr = \frac{E_x}{I} - R = \frac{3.6}{6} - 0.4 = 0.6 - 0.4 = 0.2\Omega
「起電力・内部抵抗の測定=必ず2組のデータが必要」と機械的に覚えていると、電位差計で先に $E$が分かっている場面でも律儀に2回測定しようとして、無駄な手間をかけてしまう。測定を 始める前に「今、未知数はいくつ残っているか」を必ず数え直す——電位差計と組み合わせた 実験では、この数え直しによって測定回数を1回に減らせることに気づけるかどうかが分かれ目になる。

電流計を使って電力を測ると、なぜ誤差が生じるのか

電流計・電圧計はそれぞれ単体で電流・電圧を測る道具だが、両方の指示値を掛け合わせれば 「電力(V×I)」も測定できる。ただし、この方法には計器自身が回路に割り込むことによる 誤差が必ず紛れ込む。

電流計を負荷RRに直列に入れ、電圧計で「電流計+負荷」の両端電圧V1V_1を測る配線 (電流計内接法と呼ばれる)を考える。このとき電圧計は、負荷RRだけでなく電流計の 内部抵抗RaR_aの分の電圧降下まで含めて測ってしまう。

V1=I1(Ra+R)V_1 = I_1(R_a+R)

測定した電力 V1×I1V_1 \times I_1 を計算すると、

V1I1=I12(Ra+R)=I12Ra+I12RV_1 I_1 = I_1^2(R_a+R) = I_1^2 R_a + I_1^2 R

真の負荷電力は I12RI_1^2 R(電流計を通っているのは負荷と同じ電流 I1I_1 そのものなので、 ここには誤差がない)。測定値には、そこに電流計自身の電力損失 I12RaI_1^2 R_a が 上乗せされている。

誤差率を計算すると、

誤差率=V1I1I12RI12R×100%=I12RaI12R×100%=RaR×100%\text{誤差率} = \frac{V_1I_1 - I_1^2R}{I_1^2R}\times100\% = \frac{I_1^2R_a}{I_1^2R}\times100\% = \frac{R_a}{R}\times100\%

分子・分母に共通する I12I_1^2 が約分されて消えるため、誤差率は電流の大きさによらず、 電流計と負荷の抵抗の比だけで決まる。

例題

負荷抵抗R=250Ω、電流計の内部抵抗Ra=2Ωの回路を、電流計内接法で配線し、電力を測定した。 誤差率を求める。

誤差率=RaR×100%=2250×100%=0.8%\text{誤差率} = \frac{R_a}{R}\times100\% = \frac{2}{250}\times100\% = 0.8\%
「誤差率を求めるには、まず電流I1の値を求めないといけない」と身構える必要はない。 式を整理する過程でI1は約分されて消えてしまうため、電流計の内部抵抗Raと負荷Rの 比さえ分かれば、電流や電圧の具体的な値を求めずに誤差率だけを直接計算できる。 負荷Rに対して電流計の内部抵抗Raが十分小さい(Ra≪R)ほど、誤差率も小さくなる—— 「なるべく内部抵抗の小さい電流計を選ぶ」という計器選定の理由が、この式からも裏付けられる。

絶対誤差と相対誤差(誤差率)— 測定値と真の値の「ズレ」を数字にする

先ほどの電流計内接法の誤差率は、電流計の内部抵抗が原因で生じる誤差の特殊な例だった。 ここでは、測定にまつわる誤差そのものを表す、より一般的な2つの物差しを整理しておく。

測定機器や測定方法にはどうしても限界があり、測定値MMは、真の値TTと完全には一致しない。 このズレの大きさを表すのが絶対誤差だ。

絶対誤差=MT\text{絶対誤差} = M - T

絶対誤差はズレのそのものであり、単位は測定量と同じ(電圧ならV、抵抗ならΩ)になる。 しかし絶対誤差の大きさだけでは、そのズレが測定全体から見て大きいのか小さいのか判断しにくい。 たとえば1Ωのズレは、10Ωの抵抗を測っているなら重大だが、10000Ωの抵抗を測っているなら ごくわずかだ。そこで、絶対誤差を真の値に対する比率(百分率)で表したものが 相対誤差(誤差率)だ。

相対誤差(誤差率)=絶対誤差T×100[%]\text{相対誤差(誤差率)} = \frac{\text{絶対誤差}}{T}\times100\,[\%]

例題

電圧降下法によって抵抗Rの値を測定したところ、測定値は24.80Ωであった。この抵抗の 真の値が24.60Ωであるとき、絶対誤差と相対誤差を求める。

絶対誤差=24.8024.60=0.20Ω,相対誤差=0.2024.60×1000.81%\text{絶対誤差} = 24.80-24.60 = 0.20\Omega, \qquad \text{相対誤差} = \frac{0.20}{24.60}\times100 \fallingdotseq 0.81\%
相対誤差の式で迷ったら、「相対誤差は絶対誤差の“真の値”に対する比率」という定義の言葉を そのまま思い出す。分母に置くのは測定値ではなく、あくまで基準となる真の値だ。手元に 測定値しかない(真の値が別途分からない)場面では、測定値を真の値の近似として代用する こともあるが、両方が与えられている問題では必ず真の値の方を分母に使う。

ディジタル計器 — A-D変換・量子化・オートレンジ

ここまで見てきた可動コイル形・可動鉄片形などの計器は、指針の振れというアナログ量で 測定値を表示する仕組みだった。現在の現場で広く使われているディジタルテスタやディジタル オシロスコープは、この振れをいったん数値に変換してから表示・記録する。

  • A-D変換器(アナログ-ディジタル変換器):入力された連続的な電圧・電流を、ディジタルの 数値データに変換する回路。方式にはいくつかの種類があり、精度を確保しやすい二重積分形 などが用いられることがある。
  • 量子化:連続的に変化するアナログ量を、何段階かの離散的な値で近似する操作。A-D変換の 核心はこの量子化にある。
  • 読み取り誤差:ディジタル計器は測定値が数字でそのまま表示されるため、アナログ計器の ように指針の位置を目分量で読み取る必要がなく、読み取りの間違いが少ない。
  • オートレンジ:測定可能な範囲(レンジ)を手動で切り換える必要がない機能。測定値の およその大きさが分からない場合(未知の回路を初めて当たるときなど)に特に便利な機能だ。
  • ディジタルオシロスコープ:入力波形をA-D変換していったんメモリに取り込んでから画面に 描画する仕組みのため、周期的な繰り返しトリガに頼るアナログ(ブラウン管)オシロスコープと 異なり、サージ電圧のような周期性のない単発の信号波形も記録・測定できる。
「ディジタル=数字で表示されるだけ」と捉えると、ディジタルオシロスコープが単発波形を 測定できる理由を見落としやすい。ポイントは、いったんA-D変換してメモリに取り込んでから 描画する、という2段構えの仕組みにある。アナログ式は電子ビームがその場でリアルタイムに 波形をなぞる必要があるため、安定した像を得るには同じ波形の繰り返し(トリガ)が前提に なるが、ディジタル式は「取り込んでおいて、あとから読み出す」ため、繰り返しを必要としない。

SI組立単位の関係 — 固有の名称を持つ単位を、他の単位で書き換える

電気の量には、ボルトやアンペアのような基本的な単位のほかに、ファラド[F]・ワット[W]・ ジーメンス[S]・テスラ[T]・ウェーバ[Wb]のように固有の名称を持つSI組立単位がある。 これらはすべて、量の定義式に立ち返れば、他の単位の組み合わせで書き換えられる。

  • F(ファラド、静電容量)Q=CVQ=CV より C=Q/VC=Q/V。電荷の単位はクーロン[C]なので、 F=C/V\text{F}=\text{C/V}
  • W(ワット、電力):電力は仕事率、つまり単位時間あたりのエネルギーなので、 W=J/s\text{W}=\text{J/s}
  • S(ジーメンス、コンダクタンス):抵抗の逆数(電流の通しやすさ)なので、 オームの法則I=V/RI=V/Rを変形してS=A/V\text{S}=\text{A/V}
  • T(テスラ、磁束密度):磁束を面積で割った量なので、T=Wb/m2\text{T}=\text{Wb/m}^2
  • Wb(ウェーバ、磁束):電磁誘導の法則e=dΦ/dte=d\Phi/dtを時間で積分すると Φ=edt\Phi=\int e\,dt となるため、Wb=Vs\text{Wb}=\text{V}\cdot\text{s}

例題

電力の単位ワット[W]を、他のSI単位の組み合わせで表すとどうなるか。

W=J/s\text{W} = \text{J/s}
組立単位を丸暗記しようとすると、似た形の別の単位と入れ替わって覚えてしまいやすい。 「F/Wb/Sのどれがどの割り算・掛け算だったか」ではなく、「その量がどんな定義式から 生まれたか」に必ず立ち返る。F=C/VはQ=CVから、S=A/Vはオームの法則の逆数から、 Wb=V・sは誘導起電力の式を時間で積分した関係から——単位記号だけでなく、元になる 物理法則とセットにして覚えると、試験本番で自力で導き直せる。

冒頭のテスタのレンジ切り替えで何が起きていたか、答え合わせは理解度チェックの最後の問題で してみよう。

出題者のワナ — ここで受験者を転ばせにくる

この論点は、知っているだけでは足をすくわれる。試験でよく仕掛けられる崩し方を、先に知っておこう。

  1. 分流器の式(Ra/(m-1))と倍率器の式(Ra×(m-1))を取り違える

    なぜ引っかかるどちらも『測定範囲をm倍にする』という目的は同じだが、電流計は並列(分流器が電流を肩代わりする)、電圧計は直列(倍率器が電圧を肩代わりする)という接続の向きが逆で、それに応じて式の形も割り算と掛け算で逆になる。この対応を丸暗記していると本番で入れ替わる。

    見破り方接続の向きから思い出す。分流器は電流計と『並列』=電流を分け合う関係だから分圧・分流のときと同じ『割り算寄り』の式。倍率器は電圧計と『直列』=電圧を分け合う関係だから『掛け算寄り』の式、と接続方法とセットで覚え直す。

  2. 可動コイル形計器がそのまま交流も測定できると誤解する

    なぜ引っかかる『計器』と一括りにして特性を覚えていると、直流専用の可動コイル形と、交流・直流両用の可動鉄片形・電流力計形の違いがあいまいになる。特に可動コイル形は最も基本的な計器のため、汎用的に使えると思い込みやすい。

    見破り方可動コイル形は永久磁石と可動コイルの間に働く力(フレミング左手の法則)を利用しており、電流の向きが変わると指針を振る向きも変わってしまう。交流のようにプラスマイナスが入れ替わる電流には整流器を組み合わせない限り対応できない、という原理まで戻って判断する。

  3. 整流形計器・誘導形計器を、可動鉄片形や電流力計形と同じ『交流・直流両用』の仲間だと思い込んでしまう

    なぜ引っかかる計器の種類が増えてくると、『可動コイル形だけが直流専用で、残りは全部交流・直流両用』という単純化した覚え方をしてしまいやすい。実際には整流形(ダイオードで整流してから可動コイルで指示)・誘導形(交流磁束が誘導する渦電流を利用)はどちらも交流専用であり、直流専用の可動コイル形と対になる形で『交流専用の仲間』が別に存在する。

    見破り方その計器が利用している物理現象に、交流特有の要素(整流のためのダイオード、交流磁束が生む渦電流)が含まれているかを確認する。ダイオードは電流の向きが一定でないと整流の意味がなく、渦電流は磁束が時間変化しないと(=直流では)生じない——どちらも『交流であること』が動作の前提になっている、と原理から判断する。

  4. 電流計・電圧計の理想的な内部抵抗の向き(小さい方がよい/大きい方がよい)を逆に覚える

    なぜ引っかかる『内部抵抗は小さい方が精度が良い』という漠然とした印象で電圧計にも当てはめてしまうと、実際には逆に電圧計は内部抵抗が大きいほど正確になる、という関係を取り違える。

    見破り方計器がどう接続されるかを思い出す。電流計は回路に直列に割り込む=計器自身の抵抗が回路の抵抗を増やしてしまうため小さいほどよい。電圧計は回路に並列に接続する=計器に流れ込む電流が測定対象から電流を奪ってしまうため大きいほどよい、と接続方法から導き直す。

  5. ホイートストンブリッジの平衡条件で、『向かい合う辺』と『隣り合う辺』の抵抗を掛け合わせる相手を取り違える

    なぜ引っかかる4つの抵抗が並ぶ図の中で、どの2つとどの2つを掛け合わせるべきかを、図形の位置関係だけで覚えようとすると、対角の関係と隣接の関係を混同しやすい。

    見破り方検流計に電流が流れない=ブリッジの左右の2つの分圧回路が『同じ比率』で電圧を分けている、という分圧の考え方に立ち返る。上側2辺の比=下側2辺の比(P/Q=S/Rx)と考えれば、これを整理した P・Rx=Q・S という関係が自然に導ける。

  6. ブリッジが平衡しているのに、検流計にはわずかでも電流が流れているはずだと思い込む

    なぜ引っかかる『測定している以上、電流計にはなにか指示が出るはず』という直感から、平衡時でも検流計の指示が完全な0ではなく、わずかに振れていると誤解しやすい。

    見破り方平衡条件とは『検流計を流れる電流がちょうど0になる状態』そのものの定義だと確認する。検流計の指示が完全に0を示すよう、可変抵抗(滑り抵抗器など)を調整し切った状態が平衡であり、指示が残っていればまだ平衡していない。

  7. 多重レンジ電圧計の2段目以降の抵抗を求める際、その段の倍率器合計抵抗Ra×(m-1)を、そのままその抵抗1本の値だと思い込んでしまう

    なぜ引っかかる単一レンジの倍率器の式Rm=Ra×(m-1)を、そのまま多重レンジの各抵抗にも当てはめると、Ra×(m-1)が『そのレンジまでの合計』であって『その抵抗1本』ではないことを忘れてしまう。特に2段目・3段目では、すでに求まっている手前の抵抗の分を差し引く一手間が必要になる。

    見破り方レンジを1つ大きくするごとに、倍率器の合計抵抗Ra×(m-1)がいくつ増えるかを先に計算する。新しく必要な抵抗は『このレンジまでの合計』から『1つ手前のレンジまでの合計(=すでに求まっている抵抗の和)』を引いた差分になる、と一段ずつ確認する。

  8. 接地抵抗計と絶縁抵抗計を、測定対象を取り違えて覚えてしまう(接地抵抗計が絶縁抵抗を測る、絶縁抵抗計が接地抵抗を測る、など)

    なぜ引っかかるどちらも『〇〇抵抗計』という名前で、持ち運べる専用計器という見た目も似ているため、名前と測定対象の対応があいまいになりやすい。

    見破り方『絶縁』は電気を通さないようにする対象、『接地』は電気をあえて大地に流すための対象——この2つの言葉の意味そのものに立ち返る。絶縁抵抗計は『絶縁がきちんと保たれているか』を、接地抵抗計は『接地線が大地としっかりつながっているか』を確認する道具だと対応づける。

  9. 電流計を負荷に直列に入れて電力を測る回路で、測定誤差の原因を『電流計に流れる電流の大きさ』だと考えてしまう

    なぜ引っかかる誤差率の式Ra/R×100%を導く途中式にI1²Ra・I1²Rという電流の項が出てくるため、『電流が大きいほど誤差も大きくなる』と早合点しやすい。実際には誤差率の式からI1(電流)が約分されて消えてしまい、電流計と負荷の抵抗の比だけで誤差率が決まる。

    見破り方誤差率=(測定値-真値)/真値を計算する途中で、分子・分母に共通する電流の項I1²が約分されて消えることを、式変形で一度は自分の手で確認する。『誤差率はRa/Rだけで決まり、電流値には依存しない』という結論を先に持っておくと、電流の値を求める余計な計算に時間を使わずに済む。

  10. SI組立単位の関係式を、数値の桁や単位を無視して記号だけで丸暗記しようとする

    なぜ引っかかるF=C/V、W=J/sのような関係を『記号の並び』としてだけ覚えると、似た形の別の単位(例えばTとWbの関係)と混同しやすく、試験本番でどちらがどちらだったか思い出せなくなる。

    見破り方それぞれの単位が『何の定義から来ているか』に必ず立ち返る。F(静電容量)はQ=CVからC/V、W(電力)は仕事率の定義からJ/s、S(コンダクタンス)はオームの法則の逆数からA/V、T(磁束密度)は磁束を面積で割った量だからWb/m²、Wb(磁束)は誘導起電力e=dΦ/dtを時間で積分した量だからV・s——単位の記号だけでなく、元になる物理量の定義とセットで思い出す。

  11. ゼーベック効果とペルチェ効果を、どちらが『温度差→電気』でどちらが『電気→温度差』か取り違える

    なぜ引っかかるどちらも異種金属の接合点で起きる熱と電気の変換現象という点で共通しており、名前の音の響きだけで覚えていると、原因と結果の向きが入れ替わりやすい。

    見破り方『熱電対は温度を測るセンサー=温度差から電気を作る=ゼーベック効果』と、身近な用途(温度センサー)から先に思い出す。ペルチェ効果はその逆(電流を流して接合点を冷やす・温める)で、小型冷却素子(ペルチェ素子)の原理として使われている、と用途とセットで区別する。

  12. 偏位法と零位法を、指示計器の見た目(針や検流計があるかどうか)だけで区別しようとする

    なぜ引っかかる電位差計やホイートストンブリッジにも検流計という『針のある計器』が使われているため、『針がある=偏位法』という短絡的な判断をしてしまいやすい。しかし検流計はここでは測定量の大きさを直接読み取る役割ではなく、電流がちょうど0になったかどうかだけを判定する役割で使われている。

    見破り方その計器が『測定量の大きさに応じて振れの大きさが変わる指針を直接読む』のか、それとも『既知量を調整してつり合わせ、指示がちょうど0になる一点を探す』のかで区別する。後者であれば、途中に検流計のような指示計器が使われていても零位法に分類される。

  13. 電位差計とホイートストンブリッジを、どちらも『すべり抵抗器と検流計を使う平衡回路』というだけで同じものだと混同する

    なぜ引っかかるどちらもすべり抵抗器・検流計を使い、平衡点を探すという操作の見た目が似ているため、同じ原理の同じ回路だと思い込みやすい。しかしホイートストンブリッジは未知の『抵抗』を4辺の比から求めるのに対し、電位差計は未知の『電圧』を、電流を流さない状態で基準電圧との比から求めるという、測定対象も回路構成も異なる。

    見破り方何を測ろうとしているかを先に確認する。未知抵抗を4つの抵抗の比P・Rx=Q・Sから求めるならホイートストンブリッジ、未知電圧Exを既知電圧Esとすべり抵抗器上の位置の比Rx/Rabから求めるなら電位差計、と測定対象の種類(抵抗か電圧か)で区別する。

  14. 交流ブリッジの未知インピーダンスを、DCブリッジと同じように可変抵抗1つだけを調整すれば平衡させられると考えてしまう

    なぜ引っかかる『ブリッジの平衡=可変抵抗を1つ調整するだけ』というDCブリッジのイメージをそのまま持ち込むと、交流ブリッジの平衡条件が複素数の等式(実部・虚部の2条件)であることを見落とし、調整できる要素が1つでは自由度が足りないことに気づけない。

    見破り方平衡条件Ż1Żx=Ż2Ż3を実部・虚部に分けて書き下してみる。未知インピーダンスの抵抗分Rxとリアクタンス分Xxという2つの未知数を同時に決めるには、少なくとも2つの独立した式(実部の式・虚部の式)が必要であり、それに応じて調整できる素子も2つ(例えば可変抵抗と可変コンデンサ)用意されているかを確認する。

  15. 相対誤差(誤差率)の式で、絶対誤差を割る相手を測定値にしてしまう(真の値ではなく測定値を分母に置く)

    なぜ引っかかる『誤差率=ズレ÷値』という漠然とした形だけを覚えていると、手元にすぐある『測定値』の方を分母に使ってしまいやすい。だが誤差率は『真の値に対してどれだけズレているか』を表す指標であり、基準にすべきは真の値の方である。

    見破り方『相対誤差は絶対誤差の“真の値”に対する比率』という定義の文言をそのまま思い出す。測定値と真の値の両方が与えられている問題では、まず絶対誤差=測定値-真の値を計算し、それを真の値で割ってから100を掛ける、という順序を崩さない。

  16. ディジタルオシロスコープは、アナログ(ブラウン管)オシロスコープと同じく周期性のある繰り返し波形しか測定できないと思い込む

    なぜ引っかかる『オシロスコープ=波形を画面に描く装置』という共通のイメージだけで覚えていると、アナログ式が繰り返しのトリガ動作で波形を安定させる仕組みに依存しているのに対し、ディジタル式はいったんメモリに取り込んでから描画するため、単発(周期性のない)の信号波形も測定できるという違いを見落としやすい。

    見破り方『ディジタル計器はまずA-D変換してメモリに取り込む』という基本の仕組みに立ち返る。取り込んだデータをあとから読み出して描画するため、繰り返しのトリガをかけられない単発現象(サージ電圧など)も記録・表示できる、とアナログ式との違いを動作原理から確認する。

  17. 電位差計で測定した電池の電圧を、負荷をつないだときの端子電圧(内部抵抗による電圧降下を差し引いた後の値)だと誤解してしまう

    なぜ引っかかる『電圧計で測る=実際に電流を流して測る』という日常的な感覚に引きずられると、電位差計で得られる値も、通常の電圧計と同じく電池から電流を取り出した状態の端子電圧だと思い込みやすい。

    見破り方電位差計が平衡した瞬間は検流計に電流が流れていない、という零位法の定義に立ち返る。電池から電流が流れ出ていない以上、内部抵抗による電圧降下(Ir)はゼロであり、測定される値は端子電圧ではなく起電力Eそのものである、と『電流が流れていない=内部抵抗の影響が現れない』という因果関係を確認する。

  18. 電位差計で起電力Eがすでに分かっているのに、内部抵抗rを求める際もE=I₁(r+R₁)、E=I₂(r+R₂)のように2組の測定が必要だと思い込んでしまう

    なぜ引っかかる分圧・分流の単元で学んだ『起電力と内部抵抗をともに求めるには2組の測定が必要』という手順を、条件を確認せずそのまま当てはめてしまうと、Eがすでに既知であるという前提の違いを見落とす。

    見破り方先に『未知数はいくつ残っているか』を数える。Eが電位差計によってすでに分かっているなら、残る未知数はrの1つだけであり、E=I(r+R)という式1本・測定1組で解ける。未知数の数と必要な式(測定)の本数を一致させる、という分圧・分流の単元と同じ考え方を、Eが既知かどうかで条件を数え直してから当てはめる。

参考文献・出典

理解度チェック(26問)

このトピックの内容がどれくらい身についたか、26問で確認しよう。 内訳は基本12問・応用5問・ひっかけ9問。基本が解けたら、条件を足した応用と、本番で足をすくいにくるひっかけまで踏み込む。

/ 26 問正解

覚えておきたいポイント

  1. 分流器(電流計と並列)の抵抗は Rs = Ra/(m-1)、倍率器(電圧計と直列)の抵抗は Rm = Ra×(m-1) — 並列か直列かで式の形が逆になる
  2. 可動コイル形計器は直流専用(整流器と組み合わせれば交流も測定可)。可動鉄片形・電流力計形・熱電形は交流・直流両用で、実効値を指示する
  3. 整流形計器は、可動コイル形計器の前段にダイオードによる整流回路を組み合わせたもの。可動コイル自体は直流(整流後の脈流の平均値)しか指示できないため、整流形は交流専用として扱われ、目盛は正弦波を前提に平均値を波形率(約1.11)倍した実効値相当で校正されている。誘導形計器は、交流磁束が導体(円板など)に渦電流を誘導し、その渦電流と磁束の間に働く力で駆動する仕組みのため、直流では原理的に動作せず交流専用となる(電力量計=積算電力計に使われる代表例)
  4. 電流計は回路に直列に入れるため内部抵抗はできるだけ小さく、電圧計は並列に入れるため内部抵抗はできるだけ大きくするのが理想
  5. 計器の階級指数(例:0.5級)は、最大目盛に対する許容誤差(%)を表す精度の区分
  6. ホイートストンブリッジは4つの抵抗をひし形に配置し、対角線上に検流計をつなぐ回路。検流計の指示が0になる(ブリッジが平衡する)とき、向かい合う抵抗の積が等しくなる(P・Rx=Q・S)という条件から未知抵抗Rxを求められる
  7. 電圧計を複数レンジ(例:5V・10V・50V)に対応させるには、倍率器を1本ずつ独立に設計するのではなく、複数の抵抗を直列にした『鎖』を使い、レンジごとに端子を鎖のどの位置につなぐかで切り替える。各段の抵抗値は、そのレンジまでの倍率器合計抵抗Ra×(m-1)から、1つ手前のレンジまでの合計(=すでに求まっている抵抗の和)を差し引いて求める
  8. クランプメータは電線1本だけの周りにできる磁界を検知して電流を測る(往復2本をまとめると磁界が打ち消し合い測定できない)。電子電圧計は増幅器+可動コイル形計器の組み合わせで内部抵抗を大きくし負荷効果を抑える。絶縁抵抗計は配線・機器の絶縁がどれだけ保たれているかを、接地抵抗計は接地電極と大地との間の抵抗を測る——名前は似ているが測定対象は別物
  9. 電流計を負荷Rに直列に入れ、電圧計で『電流計+負荷』の両端電圧V1を測る配線(電流計内接法)で電力を測定すると、測定値V1×I1には電流計自身の電力損失I1²Raが上乗せされる。真の電力はI1²R(負荷のみ)なので、誤差率は(測定値-真値)/真値×100%=Ra/R×100%——電流の値によらず、電流計と負荷の抵抗比だけで決まる
  10. 固有の名称を持つSI組立単位は、他の単位の比として定義し直せる:F(ファラド)=C/V(Q=CVより)、W(ワット)=J/s(電力=仕事率)、S(ジーメンス)=A/V(コンダクタンス=1/Ω)、T(テスラ)=Wb/m²(磁束密度=磁束/面積)、Wb(ウェーバ)=V・s(誘導起電力e=dΦ/dtを積分すると得られる関係)
  11. 異なる2種類の金属で閉回路を作り、2つの接合点を異なる温度に保つと起電力が生じて電流が流れる現象をゼーベック効果という(熱電対・熱電形計器の原理)。逆に、閉回路に電流を流すことで接合点に吸熱・発熱の温度差を生じさせる現象をペルチェ効果といい、ゼーベック効果とは原理が逆向きの対になっている
  12. 測定方法は大きく2つに分類できる。指示計器の指針の振れの大きさをそのまま読み取る方法を偏位法、既知量を調整して測定量とつり合わせ(平衡させ)、そのときの既知量の大きさから測定量を求める方法を零位法という。ホイートストンブリッジ・電位差計はいずれも零位法の代表例で、検流計の指示が0になる一点だけを基準にするため、指針の目盛の精度に左右されにくく高精度な測定ができる
  13. 交流ブリッジは、ホイートストンブリッジの4つの抵抗を複素数のインピーダンスŻ1・Ż2・Ż3・Żxに置き換えたもので、平衡条件はŻ1Żx=Ż2Ż3(対辺の積が等しい)という、DCブリッジと同じ形の式になる。ただしインピーダンスは複素数なので、この1つの式は実部どうし・虚部どうしという2つの条件を同時に表しており、可変要素も抵抗1つでは足りず、可変抵抗と可変コンデンサ(またはコイル)の2つが必要になることが多い
  14. 電位差計(ポテンショメータ)は、すべり抵抗器上の接触子の位置を調整し、検流計の指示が0になる平衡点を探すことで、未知の直流電圧を測定する零位法の計測器。すべり抵抗器全体に既知の電圧Esを加えて一様な電圧勾配を作り、接触子までの抵抗Rxの位置に応じた電圧Es×(Rx/Rab)(Rabはすべり抵抗器全体の抵抗)と未知電圧Exがつり合う点を探し、Ex=Es×(Rx/Rab)から未知電圧を求める。平衡した瞬間は検流計に電流が流れないため、電圧計を直接つなぐ方式と違って測定対象から電流を奪わない(負荷効果がない)という利点がある
  15. 電位差計で測定した電圧Exは、電流が流れていない平衡点での値なので、電池の端子電圧ではなく起電力Eそのものが求まる。これを使えば、その電池に既知抵抗Rを接続して電流Iを1回だけ測定するだけで、E=I(r+R)の式に既知のE・R・Iを代入し、内部抵抗rを直接求められる(未知数はrの1つだけなので式も1本で足りる)。分圧・分流の単元で見た『起電力Eと内部抵抗rがともに未知で、2組の(R,I)を測定して連立方程式を立てる』方法は、Eが最初から分からない場合の手順であり、電位差計で先にEが正確に分かっていれば測定は1回で済む
  16. 絶対誤差=測定値-真の値。相対誤差(誤差率)=絶対誤差の真の値に対する比率を百分率(%)で表したもの=絶対誤差÷真の値×100。真の値そのものは基準器などで別途確認された値であり、測定値と真の値のどちらが分子・分母かを取り違えないこと
  17. ディジタル計器は、アナログ量(連続的に変化する電圧・電流)を段階的な数値に変換するA-D変換器(アナログ-ディジタル変換器、二重積分形などが使われることがある)を内蔵している。連続的な値を何段階かの離散的な値で近似する操作を量子化という。測定値が数字で直接表示されるため、アナログ計器のように指針の位置を目分量で読み取る必要がなく読み取り誤差が少ない。ディジタルオシロスコープはデータをいったんメモリに取り込んでから波形を描くため、周期性のない単発の信号波形も測定できる(周期的な波形の繰り返しを前提とするアナログ(ブラウン管)オシロスコープとの違い)。測定レンジを自動で切り換えるオートレンジ機能は、測定値のおよその大きさが分からない場合に特に便利な機能である
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