動力盤の増設工事で、担当者が「制御信号線もついでに」と動力用のCVケーブルを制御回路にも流用しようとしたことがある。太くて曲げにくいCVを、信号点数分だけ何本も引き回そうとした結果、盤内の配線スペースが足りず、ダクトに収まりきらなくなった。制御信号は動力のような大電流を流すわけではなく、必要なのは「多くの信号を一つのシースにまとめて、細く柔軟に配線できるケーブル」——それがCVVの役目だ。動力ケーブルと制御ケーブルは見た目も選び方も別物であることを知らないと、この現場のような手戻りが起きる。
CVV(制御ケーブル)とは
制御盤と現場の機器・盤同士をつなぎ、運転指令・状態信号・警報といった制御信号を運ぶのが制御ケーブルです。JIS C 3401(制御用ケーブル)に規定され、600V以下の制御回路に使われます。
- CVV: 制御用ビニル絶縁ビニルシースケーブル。制御ケーブルの代表格
- CVVS: CVVに静電シールドを施したタイプ。ノイズ対策が必要な回路に
- 規格上の仲間として、絶縁体・シースの材質違いでCEV・CCV・CCE、エコタイプのEM-CEE/EM-CCE(耐燃性ポリエチレンシース)なども規定されています
【選定マップ】制御回路のケーブルを最短で決める
graph TD
Start([盤間・機器間の制御信号を配線したい]) --> Q1{ノイズの影響は?}
Q1 -->|通常環境| CVV[CVV<br>制御ケーブルの標準]
Q1 -->|インバータ・動力線近傍<br>微小信号・計装| CVVS[CVVS<br>シールド付]
Start --> Q2{エコ材料指定?<br>官公庁・環境仕様}
Q2 -->|あり| EM[EM-CEE等<br>耐燃性ポリエチレンシース]
Start --> Q3{盤内の機器配線?}
Q3 -->|はい| KIV[KIV(単心)を使用<br>→KIVガイドへ]
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class EM,KIV alt
class Q1,Q2,Q3 branch
盤内の単心配線はKIV・IV・HIVガイド、動力・電源側はCVケーブルガイドを参照してください。
どこでどう使われているか——現場別の使いどころ
| 現場・用途 | 使う品種 | ポイント |
|---|---|---|
| 制御盤〜現場機器(ポンプ・ファン等)の運転/状態信号 | CVV | 心数は信号点数+予備心 |
| 盤間の渡り(制御盤〜動力盤〜監視盤) | CVV | まとめて多心で敷設 |
| インバータ近傍・微小信号・計装信号 | CVVS | シールドの接地処理を片端で |
| 受変電設備の計器・保護継電器回路 | CVV/CVVS | 図面の指定記号を確認 |
| 環境仕様(エコ材料)の指定案件 | EM-CEE等 | 官公庁・大手案件で指定が増加 |
サイズは1.25sqまたは2sqが制御回路の定番です。盤まわりの部材一式は制御盤ソリューション・配電盤ソリューションにまとめています。
一段深い理解:なぜ制御ケーブルは「多心・細径」構成なのか
動力ケーブルとは流れているものが違う
CVケーブルが運ぶのは機器を動かすための大電流そのものだが、CVVが運ぶのは「ONかOFFか」「動いているか止まっているか」といった信号だ。信号を伝えるだけなら1本あたりの電流はごくわずかで済むため、太い断面積は不要な一方、運転指令・状態信号・警報など伝えるべき情報の種類が多いため、1本のシースの中に多数の心線をまとめる方向に発展してきた。CVVの心数バリエーションが2心から30心超まで幅広く用意されているのは、この「電流は小さいが情報点数が多い」という制御回路特有の事情に対応するためだ。
シールド(CVVS)がノイズを防ぐ仕組み
インバータやモータの近くに制御ケーブルを配線すると、動力線が発生させる電磁ノイズが制御信号に混入し、誤動作を起こすことがある。CVVSはケーブルの外周に金属の編組やテープ(静電シールド)を巻くことで、このノイズを遮蔽する。ただしシールドは正しく接地(アース)して初めて効果を発揮する仕組みで、片端だけを接地するのが基本とされる。両端を接地してしまうと、シールド自体が電流のループ(ループアンテナのような経路)を作ってしまい、かえってノイズを拾いやすくなることがある。「シールド付きケーブルを使えば自動的にノイズに強くなる」わけではなく、接地処理までが選定・施工の一部だという理解が欠かせない。
現場で間違いやすい点:予備心を見込まない発注
制御回路の配線でありがちな失敗が、その時点で必要な信号点数ぴったりの心数で発注してしまうことだ。竣工後に「もう1点だけ信号を増やしたい」となったとき、予備心がなければケーブルを新たに引き直すことになり、コストも工期も大きく膨らむ。将来の増設・断線時の予備として2〜4心程度を余分に見込んでおくのが実務の定石とされているのは、多心ケーブルの追加敷設が単心の配線をやり直すよりもはるかに手間のかかる作業だからだ。
どう注文するか——失敗しない発注のしかた
注文は「品種+サイズ(sq)−心数+長さ」で伝われば間違いがありません。
例: 「CVV 1.25sq-10C を 150m」
「CVVS 2sq-7C を 80m 切断で」
- 荷姿: 標準は100m巻等。切断販売にも対応しており、必要なm数で注文できます
- 心数: 2〜30心超まで流通。予備心を含めた点数で指定してください
- シールド: ノイズ対策が必要ならCVVSと明記。判断に迷う場合は設置環境を伝えれば選定から相談できます
- 価格: 銅建値(銅の月次相場)に連動するため、見積りは発注直前に取り直すのが鉄則です
CVV・CVVSの購入・見積りについて
電設資材専門商社・松本電業株式会社(東京都台東区台東2-4-11)でお見積り・ご購入いただけます。品種・sq・心数・数量をお伝えいただければ、法人・施工業者様向けに迅速に回答します。
- Web: 見積フォーム(24時間受付)
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