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EM-EEFエコケーブル完全ガイド|VVFとの違い・公共工事での指定・選び方(JIS C 3605)

・ 読了目安: 8分 ・ 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー)

この記事の結論

EM-EEF(メーカーの記号ではEM 600V EEF/F)は、ポリエチレン絶縁・耐燃性ポリエチレンシースの平形ケーブル(JIS C 3605)で、屋内配線での役割はVVFと同じ。ハロゲンや鉛を含まないため、燃えてもハロゲン系ガスや腐食性ガスが発生せず、煙も少ない。使用を義務づける法律はないが、国土交通省の建築設備設計基準は原則EM電線・ケーブルを使うとしている。外径はVVFとほぼ同じなので、仕様書の「EM」表記と電線の印字で取り違えを防ぐ。

冒頭の場面・会話は、内容の理解を助けるための例示です。特定の現場・企業・案件を指すものではありません。

官公庁の改修工事で、図面の配線仕様欄にある「EM」の注記を見落とし、通常のVVFで屋内配線を進めてしまった——という場面を考えてみてほしい(説明のための想定例)。VVFとEM-EEFは太さ・芯数の表し方が同じで、メーカーの構造表では1.6mm2心の仕上り外径もどちらも6.2×9.4mm、シースもどちらも灰色である。仕様書の「EM」の2文字を見落とすと発注段階では気づきにくく、施工後の手戻りにつながる。官公庁案件・環境配慮仕様の物件では、着工前に仕様書の材料欄を1行ずつ確認する習慣が欠かせない。

EM-EEF(エコケーブル)とは

EM-EEFは、屋内固定配線用の平形ケーブルのエコ材料版です。JIS C 3605(600Vポリエチレンケーブル)に適合する「600Vポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル平形」で、メーカーの記号では「EM 600V EEF/F」、一般に「エコ電線」「EM-EEF」の名で流通しています。

  • EM = エコマテリアル&耐燃性を表す、日本電線工業会の統一記号。被覆にハロゲンや鉛を含まない耐燃性ポリエチレンを使う電線・ケーブルの通称
  • /F = ハロゲンを含まず低発煙の耐燃性を表す記号
  • 役割はVVFと同じ: 住宅・ビルの屋内固定配線(コンセント・照明・スイッチ回路)
  • 違いは材料: ビニル(VVF)→ ポリエチレン絶縁+耐燃性ポリエチレンシース(EM-EEF)

VVFとEM-EEFの仕様比較(住電HSTケーブルの仕様書より)

項目VVFEM 600V EEF/F
関連規格JIS C 3342JIS C 3605
絶縁体/シースビニル/ビニルポリエチレン/耐燃性ポリエチレン
シースの色原則として灰灰
1.6mm 2心の仕上り外径6.2×9.4mm6.2×9.4mm
1.6mm 2心の概算質量85kg/km70kg/km
燃焼時発生ガスの規定なし酸性度pH4.3以上・導電率10μS/mm以下
導体最高許容温度60℃75℃(日本電線工業会Q&A。電技解釈146-3表もビニル混合物60℃、ポリエチレン混合物75℃で区分)

外形はほぼ同じで、違いは材料と燃焼時の性質にある。

【選定マップ】VVFかEM-EEFかを最短で決める

条件選ぶ電線
仕様書・図面にエコ指定あり(官公庁・環境配慮案件)EM-EEFエコケーブル
エコ指定なし(一般案件)VVF(VVF完全ガイドへ)

太さ・芯数の選び方はVVFと同じ考え方で、回路の電流と配線条件から決めます。詳しくはVVFケーブル完全ガイドを参照してください。なお日本電線工業会のQ&Aは、EE/F系などのEM電線・ケーブルは導体最高許容温度がビニルの60℃より高い75℃のため許容電流を大きく取れ、場合によってはサイズダウンも可能としています。許容電流の値はメーカーの資料で確認してください。

どこでどう使われているか——現場別の使いどころ

現場使う品種ポイント
官公庁の庁舎・学校・病院の屋内配線EM-EEF国土交通省の建築設備設計基準が原則EM
環境配慮仕様の民間ビル・工場EM-EEF図面の「EM」表記を確認
一般住宅・一般案件の屋内配線VVF指定がなければ流通量の多いVVFが標準
制御回路のエコ指定EM-CEE等制御ケーブルのエコ版(CVVガイド参照)

一段深い理解:なぜ「ハロゲンフリー」が官公庁工事で求められるのか

燃焼時に何が起きているのか

VVFのシース・絶縁体に使われる塩化ビニル(PVC)は塩素を含む。日本電線工業会のQ&Aは、ハロゲンを含む物質が燃えると毒性・腐食性の強いハロゲン化水素(塩化水素など)のガスが発生することがあると説明している。また、燃焼で出る煙は避難行動の阻害や呼吸困難など、火災時の二次災害を大きくする要因になるとしている。EM-EEFのようなポリエチレン系のエコ電線はハロゲンを含まない材料で作られ、火災時にハロゲン系ガスや腐食性ガスが発生せず、煙の発生も少ない。メーカーの仕様書でも、燃焼時発生ガスの酸性度(pH4.3以上)と導電率(10μS/mm以下)、発煙濃度が試験項目として規定されている。「エコ」という言葉から環境配慮のイメージだけを連想しがちだが、火災時の人体・設備への二次被害を抑えるという安全上の意味合いも大きい品種だ。

なぜ官公庁工事で優先的に指定されるのか

日本電線工業会のQ&Aによると、EM電線・ケーブルは建設省(現国土交通省)の「環境配慮型官庁施設(グリーン庁舎)計画指針」に基づいて同工業会が規格化したもので、1998年から使われている。使用を義務づける法律・基準はないものの、国土交通省の建築設備設計基準には原則としてEM電線・ケーブルを使う旨が記載されている。官公庁の建築工事でEM品が指定されるのはこのためだ。なお同Q&A(2018年)時点で、EM電線・ケーブルはグリーン購入法の特定調達品目ではない。図面や仕様書に具体的な品名指定がなくても「環境配慮形」「エコ電線」といった表現がある場合は、EM表記のある製品が求められていると考えて確認したい。

現場で間違いやすい点:見た目・太さの感覚がVVFと同じでも中身は別材料

EM-EEFはVVFと外観・サイズ表記の考え方がよく似ているため、現場では「太さが同じだから同じように扱える」と思われがちだ。日本電線工業会のQ&Aが挙げる扱いの違いは次のとおり。

  • 被覆の剥ぎ取り: VVFと同じ工具が使えるが、ポリエチレン系材料はビニルより伸びやすいため、端末の剥ぎ取りに注意する
  • 硬さと曲げ: ビニルより多少硬く感じるが、許容曲げ半径は従来の電線・ケーブルと同じ
  • 白化: ラックの角などで擦れると表面に白い筋が残ることがあるが、性能には影響しない。入線剤(滑剤)を使うと傷がつきにくい
  • 端末の紫外線: 品種によって絶縁体のポリエチレンは紫外線で劣化しやすいため、端末で絶縁体が露出する場合はビニルテープなどで遮光する

また、VVFとEM-EEFが混在する現場では、品名表示(EM表記)を確認しないまま作業を進めると、取り違えたまま配線してしまうおそれがある。シースの色では見分けにくいため、電線表面の印字(記号やエコケーブルである旨の表示)で確認する。改修工事で既設のVVF配線にEM-EEFで増設をつなぎ込むような案件では、端末に品名を明記したラベルを貼るなど、施工中の取り違え防止策を徹底したい。

どう注文するか——失敗しない発注のしかた

注文は「品名+太さ−芯数+長さ」で伝われば間違いがありません。

例: 「EM-EEF 1.6-2C を 100m巻で 3巻」
    「EM-EEF 2.0-3C を 50m 切断で」
  • 荷姿: 巻(定尺)か切断(必要なm数)かを指定します
  • VVFとの取り違え注意: 混在現場では品名(EM表記)を必ず明記してください
  • 価格: 銅建値(銅の月次相場)に連動するため、見積りは発注直前に取り直すのが鉄則です
  • 納期: 数量が多い場合や工期が決まっている場合は、早めに引き合いを出して在庫と納期を確認してください

EM-EEFの購入・見積りについて

EM-EEFの見積りは、電設資材専門商社・松本電業株式会社(東京都台東区台東2-4-11)の見積フォームから依頼できます。太さ・芯数・数量を添えてください。

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よくある質問

EM-EEFとVVFの違いは何ですか?

材料が違います。VVFは絶縁・シースとも塩化ビニル(PVC)ですが、EM-EEFはポリエチレン絶縁+耐燃性ポリエチレンシースで、ハロゲンや鉛を含まず、燃焼時にハロゲン系ガスや腐食性ガスが発生せず煙も少ないのが特徴です(日本電線工業会)。用途・形状はVVFと同じ屋内固定配線用の平形ケーブルで、「エコ電線版のVVF」と考えると分かりやすい品種です。

EM-EEFはどんな工事で指定されますか?

使用を義務づける法律はありませんが、日本電線工業会によると国土交通省の建築設備設計基準には原則EM電線・ケーブルを使う旨が記載されており、官公庁の建築工事で指定されるのが代表例です。民間でも環境配慮を仕様に入れた物件で指定されることがあります。図面や仕様書に「EM」「エコ電線」「環境配慮形」とあればEM-EEF等のエコタイプが対象です。

EM-EEFの施工でVVFと違う注意点はありますか?

日本電線工業会のQ&Aによると、被覆除去にはVVFと同じ工具が使えますが、ポリエチレン系材料はビニルより伸びやすいため端末の剥ぎ取りには注意が要ります。ビニルより多少硬く感じますが、許容曲げ半径は従来品と同じです。引き入れ時にラックの角などで擦れると白い筋(白化)が残ることがありますが、性能には影響しません。外径がVVFとほぼ同じでシースも灰色のため、混在現場では電線表面の印字(EM表記)を確認して取り違えを防いでください。

EM-EEFはどこで購入できますか?

電設資材専門商社の松本電業株式会社(東京都台東区台東2-4-11)の見積フォームから問い合わせできます。太さ(1.6/2.0mm)・芯数(2C/3C)・数量を添えてください。

参考文献・出典

確認・変更の記録

出典照合日: (AIによる照合補助)

既存出典2件(日本規格協会のJIS C 3605:2022規格概要、日本電線工業会技術資料第142号C)の到達と内容を確認し、住電HSTケーブルのEM 600V EEF/F・VVF仕様書2件と経済産業省の電技解釈(令和7年11月20日改正版、ブラウザで確認)146-3表を追加。JCMA142で、EMの意味と/Fの意味、ハロゲン・鉛を含まず火災時にハロゲン系ガス・腐食性ガスが発生せず低発煙、1998年からの使用とグリーン庁舎計画指針、使用義務の法律はないが国交省建築設備設計基準は原則EM、被覆剥ぎ取り・曲げ半径・白化・紫外線の注意、導体最高許容温度60℃→75℃を確認し、電技解釈146-3表でもビニル混合物(耐熱性なし)60℃・ポリエチレン混合物(架橋除く)75℃の区分が一致。HST仕様書でJIS C 3605(2〜3心)適合、シース灰、燃焼時発生ガスpH4.3以上・導電率10μS/mm以下、1.6mm2心の外径6.2×9.4mm(VVFも同寸)・質量70kg/km(VVF85kg/km)が一致。従来本文の『公共建築工事標準仕様書ベースでエコ指定』は出典どおり建築設備設計基準の記述に、『鉄筋にまでダメージ』『ストリップ時の刃の入れ方に慣れが必要』『15A回路は1.6mm・20A回路は2.0mmが目安』『VVFよりやや高めが相場』『VVFほど在庫が厚くない』『ESG企業で指定が増加』は出典で確認できず削除または出典どおりの表現に修正。冒頭の改修工事の手戻り事例は出典がないため想定例と明示。出典のない自社対応の約束(切断販売対応・迅速な見積回答)は削除。国土交通省の建築設備設計基準の原文は未確認(JCMA142の記述による)

個別設備の適合判定・技術者による承認を示すものではありません。

型番不明でもOK

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