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配管工事施工基準電気工事

コンクリート埋設PF管のつぶれ対策と曲げ半径制限!地中埋設FEP管との施工使い分け要領

読了目安: 11分 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー

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1. コンクリート埋設(スラブ配管)におけるPF管のつぶれ・扁平対策

基礎コンクリートを打設して数日後、型枠を外して通線用の呼び線(フィッシャー)を送り込もうとしたら、途中でピタリと止まって進まなくなる——電気工事の現場では決してめずらしくない光景です。呼び線を無理に押し込んでも進まず、念のため配管ルートを掘り当ててみると、スラブの中でPF管が扁平につぶれ、内部の空間がほぼゼロになっています。原因は生コンクリートの自重と圧送圧力、そして配筋・打設中に作業員が管の上を歩き回ったことによる踏み付けです。ここまで来ると打つ手は一つしかありません。硬化したコンクリートを斫って管を掘り出し、つぶれた区間を新しい管に交換し、再度コンクリートを打ち直す——「はつり直し」です。すでに配筋も型枠も完了した箇所を壊して直すことになるため、工期・コストともに手痛いやり直し工事になります。

電気工事におけるコンクリート打設(コンクリ流し込み)は、配管資材が最も高い物理的圧力を受けるプロセスのひとつです。特にスラブ(床)や基礎のコンクリート内部に埋設されるPF管(合成樹脂製可とう電線管)は、打設時の圧力や作業員の踏み付けによって「つぶれ(扁平)」を起こしやすく、打設後に中の電線が通らなくなる通線不能トラブルが多発します。「PF管は曲がるから多少無理をしても大丈夫」という現場感覚が、このトラブルを後を絶たないものにしています。

① 配管固定と鉄筋アタリの回避

  • PF管をコンクリート内に埋設する際は、鉄筋(特に下筋と上筋の間)に沿って配管し、「結束線」を用いて一定間隔(1.0m以下目安)で鉄筋に強固に結束固定します。
  • コンクリート流し込み時にホースの先端(圧送ホース)から出る衝撃や、バイブレーター(コンクリートを密着させる振動機)が直接PF管に接触しないよう、鉄筋の影や内側に配管を隠す工夫が必要です。

② PFD管(二重管)の選定

  • 単層のPF管(PFS)ではなく、耐衝撃性と復元性に優れた二重構造のPFD管(例:未来工業製ミラフレキMFなど)を選定します。二重管は外側の波付構造が土圧やコンクリートの重量圧力を分散し、踏み付けに対する強度(耐偏平性)が格段に向上します。

③ 「つぶれない」は感覚ではなく試験規格で保証されている

PF管・CD管はJIS C 8411:2019(合成樹脂製可とう電線管)の製品規格に適合させて作られており、出荷前に圧縮試験・曲げ試験をクリアしています。圧縮試験はJIS C 8461-22(電線管システム—プライアブル電線管システムの個別要求事項)の規定に基づき、管の強度区分ごとに定められた荷重をかけて内断面が著しく変形しないことを確認するもので、区分3(ミディアム)では750Nの圧縮荷重に耐える性能が求められます。二重構造のPFD管は、外層の波付形状が荷重を分散する構造になっているぶん、単層のPFSより高い荷重に耐えやすいという設計上の理屈があり、実際に踏み付けや土圧に強い管として現場で選ばれています。つまり「二重管だから何となく丈夫」ではなく、規格試験という数値の裏付けがある選定基準だということを押さえておくと、現場での資材選定に迷いがなくなります。具体的にどの区分の製品かは、メーカーカタログの仕様表で確認するのが確実です。


2. 内線規程に定めるPF管・CD管の「曲げ半径制限」

通線時の引っ掛かりや、ケーブル被覆の損傷を防ぐため、可とう管の曲げ角度と曲げ半径には厳格な基準が存在します。

graph TD
    Start[配管の曲げ設計] --> A[曲げ半径 R]
    Start --> B[屈曲部の総和角度]
    A --> A1["R ≧ 管内径の 6倍以上<br>(ケーブル外径の要請を満たすこと)"]
    B --> B1["1ルート内の総曲げ角度 270度(90度×3箇所)以下<br>距離が長い場合は 180度以下を推奨"]

① 曲げ半径(R)の基準

内線規程では、可とう電線管(PF・CD)の曲げ半径は「内側の半径が管内径の6倍以上」と定められています(合成樹脂製可とう電線管工業会は参考条文として内線規程3115-5・3110-8を挙げています)。なお内線規程は日本電気協会が発行する民間規格で、電気設備の技術基準の解釈にはこの曲げ半径を定めた条文がありません。法令ではなく業界と発注者が守っている数字、という位置づけです。呼び22以下で建造物の構造上やむを得ない場合は、管の内断面が著しく変形せずひび割れが生じない程度まで半径を小さくできる緩和も置かれています。

許容曲げ半径 (R)管の内径 (d)×6\text{許容曲げ半径 (R)} \ge \text{管の内径 (d)} \times 6

  • 例:PF22(内径 約22mm)の場合: 22 mm×6=132 mm22\text{ mm} \times 6 = 132\text{ mm} 以上の曲げ半径(R)を確保して施工する必要があります。これ以下の急激な角度で曲げると、コンクリート圧で曲がり部が押し潰され、通線用ワイヤー(フィッシャー)すら通らなくなります。

② 屈曲箇所の制限

分電盤からプルボックス、あるいはスイッチボックスまでの1区間(1ルート)における屈曲部は、合計で3箇所以内(曲げ角度の合計が270度以内)にするのが基本です。これを超える場合は、中間に「ジャンクションボックス(中継ボックス)」を設けてルートを切り分けます。

③ なぜ「6倍」なのか——通線時にケーブルへかかる側圧という物理

曲げ半径6倍以上という基準は、見た目の「割れないための余裕」だけを意味しているわけではありません。通線時にケーブルへかかる側圧(ケーブルが管の内壁に押し付けられる圧力)を管理するための基準でもあります。ケーブルを引っ張って通線するとき、曲がった箇所ではケーブルは管の内壁に押し付けられながら滑っていきます。このとき内壁にかかる圧力は、引張張力を曲げ半径で割った値にほぼ比例して大きくなります。つまり曲げ半径が小さいほど、同じ引張力でもケーブル被覆への圧迫は急激に強くなるということです。呼び22以下の細物PF管で太いCVTケーブルを急な角度で曲げてしまうと、コンクリートの拘束圧でつぶれかけた管壁とケーブル自体の側圧が重なり、通線ワイヤーごと動かなくなる——これが「はつり直し」に至る典型的な発生メカニズムです。

なおこの6倍という数値は、内線規程が現場の施工基準として求めているだけでなく、PF管・CD管の製品規格であるJIS C 8461-22の曲げ試験(10.4)でも、内側半径を管内径の6倍以上とした状態での性能確認が行われています。現場の施工基準と、管そのものの製品試験基準がほぼ同じ数値で揃っているという点は、この6倍という数字が単なる経験則ではなく、製品の性能保証と施工実務の両面から支持されている基準であることを示しています。


3. PF管とFEP管(地中埋設管)の施工使い分けマトリクス

建物の「内部・構造体内」と「屋外・地中」では、土圧や水分の浸入経路が異なるため、使用する配管材を完全に使い分けます。

比較項目PF管(合成樹脂製可とう電線管)FEP管(波付ポリエチレン網状管)
主な呼び径展開14, 16, 22, 28, 36, 42, 5430, 40, 50, 65, 80, 100, 125, 150以上
主な用途建物の壁内、天井裏、スラブ・基礎コンクリート埋設屋外の地中埋設(高圧引込、屋外灯、ハンドホール間接続)
物理的強度コンクリート打設圧力に対する耐扁平性(二重管)重車両の通過(輪荷重)や土圧による不等沈下に耐える柔軟性と強度
防水・止水対策コネクタ接続部のOリングや塩ビ用接着剤による防水専用の難燃性ミラレックス接続継手、ベルマウス・止水コンパウンドによる浸水防止
適合ケーブルVVF、IV線、細物CVケーブルなど太物電力幹線(CVT 22sq〜250sq)、光ファイバー多条配線

4. 地中引き込み部におけるFEP管施工の重要実務

屋外から建物内、あるいはキュービクル(受電設備)の基礎へFEP管を立ち上げてケーブルを引き込む際、浸水や害獣の侵入を防ぐために必須となる施工要領です。

graph TD
    FEP[地中FEP管] --> Foundation[基礎立ち上がり部]
    Foundation --> Bellmouth[ベルマウスの取り付け]
    Bellmouth --> Seal[パテ・止水コンパウンド充填]
    Seal --> Cab[引き込みケーブル]

① ベルマウスの取り付け

FEP管の管端(ケーブルが飛び出す口)には、必ずラッパ状の樹脂製保護具「ベルマウス」を取り付けます。これがないと、重量のある太物CVTケーブルを引っ張った際に、管の鋭利なエッジで高価なケーブルのビニル被覆(シース)が削れ、将来的な地絡(漏電)事故の引き金になります。

② 止水パテ・難燃粘土の充填

地中の水や湿気、ネズミなどの害獣が管を伝って建物内の盤や受変電設備に侵入するのを防ぐため、ケーブルを通線した後に、ベルマウスの内隙に「止水パテ(不乾性密着パテ)」または「耐火パテ」をギチギチに詰め込んで密閉します。


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参考文献・出典

  • 法規・規格について(合成樹脂製可とう電線管工業会) (合成樹脂管工事に適用される条文の整理(電技解釈第158条・第164条・第166条・第181条、内線規程3101-1・3115-2ほか)。第158条第1項〜第3項に曲げ半径を定めた号は無く、曲げ半径の根拠はこのページには含まれない)
  • 電線管に関するQ&A(合成樹脂製可とう電線管工業会) (「その内側の半径は管内径の6倍以上となるようにしてください。ただし、PF管・CD管とも呼び22以下のもので建造物の構造上やむを得ない場合は、管の内断面を著しく変形せず、管にひび割れが生じない程度まで半径を小さくして使うことが可能です。」参考条文は内線規程3115-5(配管)・3110-8(管の屈曲)=法令ではなく民間規格)
  • JIS C 8411:2019「合成樹脂製可とう電線管」規格概要(きかくるい.com) (圧縮試験はJIS C 8461-22の10.2による製品規格。荷重は同規格表6の強度区分ごとに規定され、区分3(ミディアム)は750N。曲げ試験もJIS C 8461-22の10.4に準拠し、PF管・CD管の構造(複層/単層)や耐燃性区分の違いを規定)

この内容は、第二種電気工事士ではこう問われる

コンクリート埋設にCD管が使えて露出には使えない——この線引きは、試験では「施設場所と工事の可否」という表の形で問われます。表の裏にある理屈のほうを解説しています。

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