在庫確認・見積は今すぐ フォームで依頼する 写真の添付もOK / 24時間受付
現場のやらかしケーブル配管資材

【現場のやらかし】電線管に電線を「ギチギチに詰め込んで配線」したら発熱で被覆がドロドロに溶損!許容電流の減少係数と電線占有率の盲点

読了目安: 10分 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー

本記事の事例は、安全啓発を目的として典型的な事象を再構成したものです。特定の現場・企業を指すものではありません。

PR 本記事で紹介する商品リンクにはAmazonアソシエイト・プログラム等のアフィリエイトリンクが含まれます。詳細は広告についてをご覧ください。

1. 【現場のやらかし事例】「通線できたからOK」と、細いPF管に電源線を何本も詰め込んで引き渡したら、数ヶ月後に漏電ショートした話

ある工場内の機械増設に伴う配線追加工事でのことです。 電気工事担当者は、追加の動力配線(三相200V)を通す際、「配管を新設するのは面倒だしスペースもない。既存のPF管(合成樹脂製可とう電線管)の中にまだ隙間があるから、ここに一緒に通してしまおう」と考えました。

呼び径22のPF管の中に、すでに通っていたIV電線に加え、新設の電線をさらに4本通しました。 ワイヤーを使って「かなりギチギチだが、力いっぱい引っ張ったらなんとか通線できた。これで配管の手間が浮いた」と、作業を完了させました。

しかし、増設された機械が本格稼働し始めてから3ヶ月後、突如その系統の漏電遮断器が動作し、機械が停止しました。 配管の点検口を開けて驚きました。PF管の内部で電線の塩化ビニル被覆がドロドロに溶けてくっつき合い、中の銅線同士が直接接触して、激しい短絡(ショート)と地絡(漏電)を起こしていたのです。

原因は「電線管内の詰め込みすぎによる熱のこもりと、電流減少係数の無視」でした。 通常、IV電線 2.0mmの許容電流は空気中であれば35Aですが、電線管に複数の電線(今回は計8本)を詰め込むと、電流減少係数(低減率:今回の本数では0.49)がかかり、1本当たりの実質的な許容電流は17Aまで激減します。

これを知らずに「通ったから大丈夫」と設計電流の25Aを流し続けたため、管内で電線が異常発熱し、熱の逃げ場がなくなって被覆が溶けてしまったのです。一歩間違えれば、PF管自体が溶けて火災に至る危険なやらかしでした。


2. 内線規程における「電流減少係数」の重要データ

同じ電線管・配線ダクトの中に複数の電線を通す場合、本数に応じて以下の電流減少係数(補正係数)を、電線の基本許容電流に掛け算しなければなりません(内線規程より)。

電線管内の電線数と電流減少係数の一覧

  • 1〜3本: 係数 0.70 (許容電流が30%ダウン)
  • 4本: 係数 0.63 (許容電流が37%ダウン)
  • 5〜6本: 係数 0.56 (許容電流が44%ダウン)
  • 7〜15本: 係数 0.49 (許容電流が51%ダウン)

例えば直径2.0mmの絶縁電線は基準の許容電流が35Aですが、金属管やプラスチック管の中に他の配線と一緒に通す本数が増えると、7〜15本で係数0.49がかかり17A程度まで小さくなります(よく見る24Aという値は、すでに3本以下の係数0.70を掛けたあとの数字です)。


3. もう一段深く:なぜこの数字なのか、PF管以外の管でも起きるのか

ジュール熱と「熱の逃げ場」の話

電線に電流が流れると、導体の電気抵抗によって必ず熱(ジュール熱)が発生します。空気中に一本だけ配線されている電線は、周囲の空気にその熱を逃がしながら温度が落ち着きますが、電線管の中に複数本を束ねて詰め込むと、隣り合う電線同士がお互いの発する熱で温め合ってしまい、管内の温度が下がりにくくなります。内線規程の電流減少係数は、この「電線同士の相互加熱」と「放熱経路が狭くなること」を、本数という分かりやすい指標に置き換えて数値化したものです。本数が増えるほど1本あたりが逃がせる熱の余地が小さくなるため、係数が段階的に下がっていきます。

金属管なら安全か——材質による放熱性の違い

電流減少係数の表自体は、金属管でも樹脂管でも同じ数字が適用されます。本数だけを基準にしているためです。ただし物理的な放熱性には材質による差があります。金属は一般に樹脂よりはるかに熱を伝えやすく、銅で約403W/(m・K)、アルミニウムで約236W/(m・K)であるのに対し、一般的な樹脂は0.1〜0.4W/(m・K)程度しかありません。つまり同じ本数・同じ占有率であっても、鋼製の金属管に比べてPF管・CD管・VE管などの樹脂管のほうが管自体を通じた放熱が弱く、熱がこもりやすい側にあります。

今回のやらかし事例がPF管で起きたのは偶然ではなく、樹脂管という条件が被覆溶損に至るハードルを一段下げていたと考えられます。だからといって金属管なら本数を無視してよいわけではありません。電流減少係数はどちらの管種にも同じ数字で適用されるため、金属管配線でも詰め込みすぎれば同様の発熱リスクはあります。実際、電気設備技術基準の解釈が定める金属管工事・金属可とう電線管工事の規定にも、樹脂管と同様の占有率の考え方が組み込まれています。

「占有率」と「電流減少係数」は別のルール

電線管の選定方法で解説している「管内断面積の32%(例外48%)以下」という占有率の基準と、本記事の電流減少係数は、どちらも「電線を管に詰め込みすぎない」ためのルールですが、守っている対象が違います。占有率は電線の太さ(断面積)の総和に対する制限で、通線のしやすさと物理的な放熱余地を確保するための基準です。一方、電流減少係数は電線の本数に応じて許容電流そのものを引き下げる基準で、細い電線を多数本まとめて占有率的には余裕があっても、本数が多ければ電流減少係数は下がります。

今回の事例のように「呼び径22のPF管にまだ隙間があった」=占有率としては収まっていたとしても、電流減少係数の適用が漏れていれば発熱事故は起こり得ます。占有率と電流減少係数は、どちらか一方ではなく両方をセットで確認する必要があります。


4. 管路設計でやらかさないための防止策

現場での通線発熱トラブルを防ぐための、設計・施工上の3つの鉄則です。

① 電線占有率の厳守(32%ルール)

電線サイズの外径から「断面積」を計算し、管の断面積に対して32%以下(同一サイズの電線で、屈曲が少なく、引き入れ・引き替えが容易な場合に限り48%以下)に収まっているかを確認します。これにより、物理的な放熱スペースと通線時の遊びが確保されます。

② 計算シミュレーションの実施

電流・配線長・電線サイズから電圧降下や許容電流の余裕値を事前に必ず計算します。特に熱がこもりやすい盤内配線や管内配線では、ギリギリの電線サイズを選定せず、余裕を持った(1ランク太い)sq数を選定することが現場トラブルを防ぐ基本です。

③ 高耐候・高放熱な電線管・保護具の選定

屋外配線や過酷な環境では、放熱性の高い配管(波付金属管等)や、内部の結露を防ぐ防雨キャビネット、保護カバーを適切に選定します。

現場での安全な配管設計・施工には、規格に合致した正しいサイズ選定が不可欠です。 PF管・VE管・樹脂製電線管(Amazon) — 占有率に余裕を持った太さの電線管・配管部材を確認できます。 通線ワイヤー・スチール(Amazon) — 狭い管内でも摩擦を抑えて安全に通線するためのプロ用ワイヤー工具です。


5. 適切な電線・配管資材の一括調達は「電材サーチ」へ

「設計に基づいた適切な太さのCV/CVTケーブルを一括調達したい」「電線占有率を考慮して、余裕を持った呼び径のPF管・VE管(ビニル電線管)や金属管、接続用のコネクタをまとめて揃えたい」という現場監督・電気工事店様へ。

当サービス「電材サーチ」では、古河電工や住友電工などの電力ケーブル、未来工業や日東工業などの各種電線管・配管部材・接続資材を一括でスピード見積もり・調達対応いたします。 現場の工期に合わせ、複数メーカーの資材をワンストップで現場配送いたします。


関連するおすすめガイド

現場で今すぐ役立つツール

関連する電線管・詰めすぎ・許容電流・減少係数・電線・占有率・被覆・溶けるの品種・型番をお探しですか?
電材サーチでは、メーカー横断で目的の型番を素早く見つけ、そのまま見積もりを依頼できます。

対象の電材・品種を検索する →

参考文献・出典

この内容は、第二種電気工事士ではこう問われる

管に何本入れると何%に減るのか——この電流減少係数は、試験でも実務と同じ表がそのまま問われます。管種ごとの施設できる場所とあわせて確認しておくと、現場の判断が試験の答えとつながります。

第二種電気工事士の対策コンテンツをすべて見る →
QUOTATION SIGNAL

電設資材・FA部品の無料見積もり

仕入れコスト削減、廃盤代替品の選定、お急ぎの在庫確認まで。型番や数量を送っていただくだけです。 手書きメモや型番リストの写真・PDFでも依頼できます。

SPONSOR / AD

Google AdSense 広告配信エリア

(AdSense管理画面で広告ユニットを作成し、実際のslot値に差し替えるとここに本番広告が挿入されます)