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パナソニックの漏電ブレーカの型番はどう読むのか|BJW・BKW・BKWAが示すモータ保護の有無と極数・定格電流の規則

・ 読了目安: 11分 ・ 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー)

改修工事で外した分電盤の中から、古いブレーカが出てくる。プレートには「BKW3203」。手元に用意していた取り寄せ品の箱を見ると、こちらは「BKWA3203」と刻まれている。数字の並びはまったく同じで、違うのは「A」が一文字挟まっているかどうかだけだ。同じものの表記ゆれなのか、それとも別物として扱うべきなのか——箱を見比べているだけでは、判断がつかない。

パナソニックの漏電ブレーカ、BJW型・BKW型・BKWA型は、電材商社の現場では日常的に扱う品番でありながら、その数字が何を積み上げているのかを説明できる人は少ない。品番を検索窓に打ち込めば仕様は出てくるが、それは型番を読めているからではなく、検索エンジンに丸投げしているだけだ。パナソニックの公式品番選定ツール、Vカタの品番詳細、そして商品仕様書・商品図面という一次資料に基づいて、この型番が何段階で組み立てられているのかを、一段ずつ剥がしていく。

BJWとBKWが分けているのは「モータを守るかどうか」

まず頭の3文字、BJWとBKWの違いから見ていく。パナソニックの公式商品仕様書「漏電ブレーカ BJWA-50」は、表紙に「[モータ保護兼用]」と角書きしたうえで、型式の保護目的を「BJWA-50(過負荷・短絡・漏電及びモータ保護)(直入始動専用)」と定義している。過負荷・短絡・漏電という漏電ブレーカとして当然の保護に加えて、モータ保護という4つめの役割が明記されているわけだ。この「モータ保護兼用」という性格づけは思いつきではなく、パナソニックの別のFAQが同系統のブレーカについて「JIS規格の配線用遮断器で要求される動作特性と、誘導電動機保護兼用回路遮断器で要求される動作特性を持ったブレーカです」と定義しているものと軌を一にする。要するに、モータの始動突入電流でうっかりトリップしないよう、動作特性そのものをモータ回路向けに作り込んである。

ではBKW型はモータを守らないのかというと、そこまで単純でもない。BKW3203のVカタ品番詳細を開くと、品名は「漏電ブレーカBKW-30型 3P3E OC付 20A 30mA(過電流保護兼用)」と表示される。BJWと同じく「OC付」——過電流保護が付いているという表示はあるが、括弧書きの性格づけは「モータ保護兼用」ではなく「過電流保護兼用」だ。同じ漏電ブレーカとして過電流も遮断するという点は共通でも、モータの始動特性まで見込んで設計されているかどうかで、BJWとBKWは棲み分けている。モータ回路に使うならBJW(BJWA)、照明や一般分岐・主幹に使うならBKW(BKWA)というのが、この二文字が分ける実務上の境界線になる。

品番の並びは「極数→定格電流→感度電流」の3区画

系列を見分けたら、次は数字の中身だ。パナソニック電工が2008年に制定した公式商品図面「漏電ブレーカ BKW-30」には、品番と定格の対応表がそのまま載っている。3P(3極)の欄を見ると、「BKW 3202」は定格電流20A・定格感度電流15mA、「BKW 3203」は同じ20Aで感度電流30mAとされている。並べて読むと規則が見えてくる。先頭の「3」が極数(3P)、続く「20」が定格電流20A、末尾の一桁「2」または「3」が感度電流のランクを表す。この表の範囲では2=15mA、3=30mAという対応だ。

この末尾一桁の感度電流コードは、BKW-30の枠を超えても崩れない。公式商品仕様書「BJWA-50」の品番・定格表では、BJWA2403が定格電流40A・定格感度電流30mA、BJWA2404が同じ40Aで感度電流100mAとされており、末尾が3なら30mA、4なら100mAという対応が保たれている。品番選定ツールのデータをより大きなフレームまで追っていくと、末尾9は「100/200/500mA切替」という高圧配電線対応の特殊な感度電流帯を示す。つまり型番の最後の一桁だけを見れば、定格電流の桁数によらず感度電流のランクが読み取れるということだ。極数を示す1桁を頭に置き、可変長の定格電流を挟み、感度電流コードを最後の1桁で固定する——この配置のおかげで、3桁の品番でも6桁の品番でも、末尾から逆算すれば感度電流にたどり着ける。

フレーム(AF)は品番の数字ではなく、型名の側にある

ここで一つ、混同しやすい落とし穴がある。BKWA22031Cという品番のVカタ品番詳細を開くと、品名は「BKWA50C 2P20A30mA」と表示される。品番の中に現れる電流表示は「20A」なのに、型名の側には「50」という別の数字が現れている。この「50」はBKWA-50Cという50AFフレームを示すもので、品番の桁の中の「20」(定格電流20A)とは無関係だ。三菱電機のMCCBにおけるアンペアフレーム(AF)とアンペアトリップ(AT)の関係——フレームの数字は機種グルーピングの値であって、実際にトリップする電流そのものではないという構図と、ここは驚くほどよく似ている。BKWの型名はBKW-30型・BKW-50型・BKW-60型・BKW-75型・BKW-100型・BKW-125型・BKW-150型・BKW-225型・BKW-250型・BKW-400型と続き、それぞれのフレームの中に複数の定格電流品番が収まっている。フレームを知りたいときは、品番の数字を無理に読み替えようとせず、型名かカタログのフレーム欄を確認するほうが早い。

型番だけでは決まらないもの——素子数とNタイプ

品番選定ツールのデータをBJW-30N型・BJW-50N型・BJW-60N型といった型名で絞り込むと、奇妙な事実にぶつかる。これらの品番は先頭が「3」で始まっているにもかかわらず、極数素子数の欄は3P2E——3極でありながら素子(過電流検出の回路数)は2つしかない。定格電圧欄を見ると「AC100/200V専用<単3>」という注記があり、単相3線式回路の中性線欠相保護を目的にした専用タイプだとわかる。中性線には元々大きな電流を流さない設計思想のため、素子を1つ減らして中性線の保護を割愛し、その代わり欠相(断線)を検知する仕組みを組み込んである。

これが意味することは一つだ。型番の先頭の数字は極(P)の数までしか保証しない。素子(E)の数まで数字だけで判別しようとすると、BJW-30型の3P3EとBJW-30N型の3P2Eを取り違える。発注時に極数だけでなく素子数まで確定させたいなら、品番の数字ではなく型名(フレーム名)を確認するのが確実だ。

末尾のアルファベットが示すもう一つの規則——S・C・B・FP

型番の末尾に付くアルファベットにも、それぞれ役割がある。品番選定ツールのデータでBKW-50型とBKW-50S型の定格電圧・遮断容量を比較すると、BKW-50型は2.5kA、BKW-50S型は10kAと、末尾のSが遮断容量のランクを引き上げていることがわかる。BKW-100型の25kAに対してBKW-100S型は50kAという組み合わせも同じ関係だ。三菱電機のMCCBが末尾のC・S・Hで遮断容量ランクを分けているのと同じ発想が、パナソニックの漏電ブレーカにも組み込まれている。

接続方式を示す末尾記号もある。公式商品図面「BKW-30」の脚注には「(裏面形は”B”、埋込形は”FP”が品番末尾に追加されます)」とはっきり書かれている。標準の表面形(盤面にねじ止めする形)には何も付かず、裏面から配線する裏面形にはB、盤面に埋め込む埋込形にはFPが加わる——この一文だけで、末尾に見慣れない一文字が付いた品番に出会っても慌てずに済む。

旧品番から現行品番への読み替え——2024年4月1日という節目

冒頭のBKW3203とBKWA3203の関係に戻る。Vカタの品番詳細で両方を開くと、BKW3203には「生産終了」の表示があり、BKWA3303(同シリーズの30A品)やBJWA3203には表示がなく、発売日はそろって「2024年04月01日」となっている。BJW3203のほうも同様に生産終了で、対応するBJWA3203が同じ日付で現行品として並ぶ。末尾の数字の並びはAの有無以外ほとんど変わっていない。品番選定ツールの品番一覧を横断的に見ても、旧シリーズのBKW・BJWと現行シリーズのBKWA・BJWAは、極数・定格電流・感度電流という3区画の規則を共有したまま、2024年4月1日を境に世代交代したように見える。

このため、古い設備からBKW・BJWの品番しか読み取れない場合も、末尾の数字をそのままにプレフィックスへAを補って探すと、現行品に行き着ける可能性が高い。ただし全品番がこの規則に一致すると確認できたわけではないため、末尾にC・S・Nなどの記号が絡む品番や、フレームが大きく変わる品番については、現物プレートの写真を添えて照合してもらうのが最も確実な近道になる。

パナソニックの漏電ブレーカの型番確認・見積りについて

電設資材専門商社・松本電業株式会社(東京都台東区台東2-4-11)では、現物プレートに残ったBJW・BKW・BKWA型の品番から現行品への読み替え、極数・定格電流・感度電流を含めた発注仕様の確定までのご相談を見積フォームで受け付けている。旧い品番の場合は、プレートの写真を添えてもらえると照合が早い。

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よくある質問

BJW型とBKW型は何が違うのですか?

モータ保護に対応しているかどうかが違います。パナソニックの公式仕様書は、BJWAの後継元であるBJW型について「型式(保護目的):BJWA-50(過負荷・短絡・漏電及びモータ保護)(直入始動専用)」と明記しており、通常の配線用遮断器の動作特性に加えて、誘導電動機の始動突入電流に耐える動作特性を持たせた漏電ブレーカだとわかります。この「モータ保護兼用」という性格は、パナソニックの別のFAQが「JIS規格の配線用遮断器で要求される動作特性と、誘導電動機保護兼用回路遮断器で要求される動作特性を持ったブレーカです」と定義しているものと同じ考え方です。一方でBKW型のVカタ品番詳細を見ると、品名は「漏電ブレーカBKW-30型 3P3E OC付 20A 30mA(過電流保護兼用)」と、モータではなく単に「過電流保護兼用」と表記されています。同じ漏電ブレーカでも、モータ回路に使うならBJW(BJWA)、照明・一般回路の分岐や主幹に使うならBKW(BKWA)というのが基本の使い分けです。

品番「BKWA3203」の数字は何を表していますか?

極数・定格電流・感度電流を、この順に積み上げた3つの区画です。パナソニック電工の公式商品図面(BKW-30、2008年制定)に掲載されている品番・定格表を見ると、「BKW 3202」は定格電流20A・定格感度電流15mA、「BKW 3203」は定格電流20A・定格感度電流30mAとされており、先頭の「3」が3極(3P)、続く「20」が定格電流20A、末尾の「3」が感度電流のランクを表す一桁だとわかります。感度電流のランクは、この表の範囲では2=15mA、3=30mAで、より大きなフレームの品番まで含めると4=100mA、9=100/200/500mA切替という対応も確認できます。BKWA3203はこの並びに現行シリーズを示す「A」が挟まった品番で、中身の3桁は変わっていません。

BKWとBKWA、BJWとBJWAは、どちらを選べばよいですか?

現行で購入できるのはA付きのほうです。パナソニックのVカタ品番詳細で確認すると、BKW3203・BJW3203・BJW3503にはいずれも「生産終了」の表示が付いており、これに対してBKWA3303・BJWA3203・BKWA22031Cにはこの表示がなく、発売日はそろって「2024年04月01日」となっています。しかも末尾の数字の並びはAの有無以外ほぼ同じで、BKWA3303は品名「BKWA30 3P30A30mA」、BJWA3203は品名「BJWA30 3P20A30mA」と、旧品番の仕様をそのまま引き継いでいます。古い設備の更新でBKW・BJWの品番しか読み取れない場合も、末尾の数字はそのままにプレフィックスへAを補って探せば、現行品に行き着ける可能性が高いということです。ただし念のため、現物プレートの写真を添えて照合してもらうのが確実です。

型番の先頭が「3」なら、必ず3P3E(3極3素子)と考えてよいですか?

そうとは限りません。公式の品番選定ツールのデータを見ると、BJW-30N型・BJW-50N型・BJW-60N型といった型名の品番は、先頭が「3」で始まっていても極数素子数は3P2Eと表示されています。これらは単相3線式回路の中性線欠相保護を目的にしたNタイプで、定格電圧欄には「AC100/200V専用<単3>」という注記が付きます。つまり先頭の数字は極(P)の数までは教えてくれますが、素子(E)の数まで型番の数字だけで判別できるわけではありません。3素子か2素子かを確定させたい場合は、品番の数字だけで判断せず、BJW-30N型のような型名(フレーム名)の側を確認する必要があります。

フレーム(30AFや50AFなど)は、品番のどこに書かれていますか?

品番の数字ではなく、BKW-30型・BKW-50型といった型名(フレーム名)の側に現れます。例えばBKWA22031Cという品番は、Vカタ品番詳細では品名「BKWA50C 2P20A30mA」と表示されており、型名の「50」(50AFフレーム)と、品番の中に現れる電流表示「20A」は別の数字です。この関係は三菱電機のMCCBにおけるアンペアフレーム(AF)とアンペアトリップ(AT)の関係とよく似ています。フレームを知りたいときは品番の数字を読み替えようとせず、型名またはカタログのフレーム欄を確認するのが確実です。

参考文献・出典

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