LED更新は、照明の種類と施設の棚卸しから
一般照明用の蛍光ランプは、種類ごとに製造・輸出入が禁止になります。使用・販売・購入の禁止ではありません。 すべてが同じ日に終わるわけではないため、まず使用中のランプと器具の型番を確認しましょう。
工場・倉庫では、器具代に加えて高所作業や稼働停止の調整も必要です。次の順で情報を揃えると、更新範囲と費用を比較しやすくなります。
- 種類と型番を確認する:蛍光ランプか、水銀ランプか、すでにLEDか。
- 区画ごとに棚卸しする:器具台数・点灯時間・状態を整理する。
- 同じ条件で試算する:器具全体のW数と、工事を含む費用を使う。
- 明るさと施工条件を確認する:型番やW数だけで代替器具を決めない。
照明棚卸しCSVをダウンロード · 区画ごとのLED相談台帳を使う
蛍光灯の種類によって、禁止時期が異なる
以下は一般照明用ランプの製造・輸出入の禁止開始日です。特殊用途のランプは別途確認が必要です。
メーカー各社の生産終了時期、点灯方式の確認、在庫を確保して使い続ける場合の進め方は、蛍光灯・水銀灯・白熱電球の生産終了とLED化にまとめています。
| ランプの種類 | 製造・輸出入の禁止開始日 |
|---|---|
| 電球形蛍光ランプ:30W以下 | 2026年1月1日 |
| 電球形蛍光ランプ:30Wを超えるもの | 2027年1月1日 |
| コンパクト形蛍光ランプ | 2027年1月1日 |
| 直管形・環形:ハロりん酸塩を主成分とする蛍光体を使用 | 2027年1月1日 |
| 直管形・環形:上記以外 | 2028年1月1日 |
出典:環境省「一般照明用の蛍光ランプの規制について」。公式資料確認日:2026年9月29日。
禁止日以前に製造・輸入された在庫品は、その後も販売・購入・使用ができます。ただし、在庫が必ず確保できるという意味ではありません。メーカーの生産終了日は規制日より早い場合があり、供給状況は型番ごとに確認します。
一般照明用の高圧水銀ランプは2021年以降、製造・輸出入が禁止されています。これも使用そのものを禁止する規制ではありません。メタルハライドランプなど、外観の似た別の光源と混同しないよう、印字・型番で確認してください。日本照明工業会の高所照明案内
施設の棚卸し表:同じ器具・同じ使い方で1行
同じ区画でも、点灯時間や器具型番が違う場合は行を分けます。ランプの本数と器具の台数を分けることが大切です。2灯式の器具が20台なら、器具20台・1器具あたり2本として記録します。
| 確認項目 | 記入する内容・注意点 |
|---|---|
| 区画・設置場所 | 倉庫通路、検品台、事務所など。写真と対応できる呼び名 |
| 器具とランプの型番 | 器具メーカー、器具銘板、ランプ印字を分けて記録 |
| 台数・本数 | 器具台数と、1器具のランプ本数。不明な数は未確認とする |
| 消費電力・電源 | ランプ単体ではなく、安定器を含む器具全体のW数。電圧は銘板等で確認 |
| 点灯時間 | 1日何時間・年間何日。交替勤務や休日点灯も区別 |
| 設置年と状態 | 設置年は不明可。変色・異音など気になる状態も記録 |
| 設置環境 | 取付高さ、温度、粉じん、水、油、棚や設備による影 |
| 施工・用途の制約 | 高所作業車の進入、停止可能時間、非常用照明・誘導灯の該当 |
| 根拠と未確認項目 | 銘板写真・図面・実測・推定のどれか。不明をゼロで埋めない |
CSVはExcel等で開けるUTF-8形式です。見出しだけのテンプレートなので、2行目から入力してください。計算式や自動送信はありません。数量の欄に仮の数字を入れる場合は、末尾の「未確認項目」に必ずその旨を記入します。
写真は「全景・器具銘板・ランプ印字」を揃える
下の図は撮影範囲の模式図です。実際の施工例や商品の外観を示すものではありません。
- 全景:器具の配置、天井、棚、作業面、通路が分かる範囲。室内寸法は図面や測定値を別に記入します。
- 器具銘板:メーカー、型番、電圧、消費電力などを読める写真。ランプの印字とは別の情報です。
- ランプ印字:型番の末尾まで。見えない部分は「未確認」のままで構いません。
撮影のために危険な高所へ上がったり、通電した器具のカバーを開けたりしないでください。安全に読めない銘板は、既存図面・保守記録や工事店の現地確認で補います。人の顔、社内掲示、不要な設備管理情報などが写らない範囲で用意してください。
LED更新の試算:実測・仕様値と仮定を分ける
年間の電気代削減額は、次の式で概算できます。
(旧器具W − 新器具W)÷ 1,000 × 器具台数 × 1日点灯時間 × 年間点灯日数 × 電気料金単価
旧器具は安定器の損失を含む器具全体の消費電力、新器具は候補製品の仕様値を使います。ランプに書かれたW数だけで器具全体の消費電力と決めないでください。
仮定を置いた計算例
以下は計算の説明用です。特定の器具の性能、工事価格、実際の施設の値を示していません。
| 入力条件 | 仮定値 |
|---|---|
| 旧器具 → 新器具 | 90W → 37W(どちらも器具全体) |
| 器具台数 | 20台 |
| 点灯時間 | 1日10時間 × 年間250日 |
| 電気料金単価 | 30円/kWh |
| 器具・施工等を含む総費用 | 600,000円(1台あたり30,000円と仮定) |
この条件なら、年間削減電力量は2,650kWh、年間削減額は79,500円、電気代だけによる単純回収年数は約7.5年です。保守費の削減、金利、将来の電気料金変更、補助金はこの計算に含めていません。実際の総費用には、現場で必要となる高所作業、撤去・処分、配線対応などが含まれているか確認します。
試算ツールの初期値も入力例です。棚卸し表の値に置き換え、導入費用には1台あたりの器具+工事費を入力してください。費用が未確認の段階では、回収年数を確定した判断材料にしません。区画によって条件が違う場合は、LED相談台帳で器具ごとに入力できます。台数・ランプ本数・消費電力を分け、未確認の行を残したまま区画別に集計できます。
器具選び:高さやW数だけでは決めない
取付高さ8mでも、同じW数の器具を付ければ同じ明るさになるとは限りません。作業面の照度、配光、器具間隔、棚の影、まぶしさ、色の見え方を確認します。粉じん・水・油・高温がある場所は、IP等級だけで適否を決めず、メーカーの使用条件と照合してください。
照度の概算ツールは検討の入口として使えます。配置や障害物を含む最終的な確認には、図面を使ったメーカーの照明設計や現場測定が必要です。非常用照明・誘導灯が含まれる場合は、一般照明と分けて更新条件を確認します。
蛍光灯器具は、器具ごとの交換を基本に相談する
日本照明工業会は、蛍光灯器具の器具ごとの交換を推奨しています。ランプだけをLEDへ交換しても、古い安定器やソケットなどが残るためです。配線を改造した器具は元の器具メーカーの保証対象外となり、組み合わせによって発煙・発火のおそれもあります。日本照明工業会Q&AのQ7〜9
「口金が合う」「工事不要と書いてある」だけで適合と判断せず、器具とランプ双方の型番・取扱説明書で確認してください。電球形蛍光ランプからLED電球への交換は扱いが異なるため、使用器具の条件に合う製品を確認します。
固定配線の接続・変更を伴う工事は工事店へ依頼します。必要な資格や対応範囲は施設の電気設備区分によって異なり、工場なら一律に第二種電気工事士で対応できるとは限りません。このページでは配線改造の手順は扱いません。
また、LED光源の定格寿命と、照明器具全体を使い続けられる期間は別です。点灯時間だけでなく、周囲温度などの使用条件と器具の状態を確認します。日本照明工業会「照明器具の寿命について」
撤去した蛍光ランプや水銀ランプは、割れないように扱い、事業所の廃棄物として適切な処理方法を確認してください。
型番が未確認でも、分かる範囲から更新を相談する
まず「どの区画を・いつまでに・何のために更新したいか」と、器具またはランプの型番を分かる範囲で伝えてください。LED相談台帳の入力は、区画ごとの品目・数量・工事条件・未確認事項として見積フォームへ引き継げます。写真番号は照合用のメモなので、画像自体は次のフォームで添付してください。手元のCSVを読み込む機能はありません。
- 設置場所と使用目的:倉庫の通路、検品作業など。
- 型番・台数:未確認ならその旨を明記。
- 希望時期と制約:休日の施工、高所作業、稼働停止の可否など。
よくある質問
蛍光灯は2027年末で使えなくなりますか?
使用・販売・購入を禁止する規制ではありません。一般照明用蛍光ランプの製造・輸出入は種類別に2026年から2028年1月1日までに禁止となります。メーカーの生産終了日は規制日より早い場合があるため、型番で確認します。
水銀灯はまだ使えますか?
一般照明用高圧水銀ランプは2021年以降の製造・輸出入が禁止されていますが、使用自体を禁止する規制ではありません。器具の状態と交換ランプの供給を確認し、計画的に更新を検討します。
直管蛍光灯はランプだけLEDに替えてよいですか?
口金が同じでも組み合わせの適合は判断できません。日本照明工業会は蛍光灯器具ごとの交換を推奨しています。配線改造は自分で行わず、器具とランプの型番を工事店へ伝えて確認してください。
天井が8mなら何WのLEDを選べばよいですか?
高さだけでは決められません。作業面で必要な明るさ、器具の配光、設置間隔、棚や設備の影、周囲温度などで必要な器具・台数が変わります。平面図と現場条件を用意し、照明設計で確認します。
LED更新費は何年で回収できますか?
器具全体の消費電力、台数、点灯時間、電気料金単価、工事を含む費用で変わります。本文の仮定例では年間79,500円の電気代削減、総費用60万円なら約7.5年です。実際の見積額や削減額を保証する値ではありません。
型番や台数がまだ分からなくても相談できますか?
分かる範囲の設置場所、全景写真、器具の銘板・ランプ印字の写真を整理してください。棚卸し表では不明な項目を未確認のまま残し、数量を確定値として扱わず相談を始められます。撮影のために危険な高所へ上がったり、通電した器具を開けたりしないでください。
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